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デジファブ関連スキルはいずれは我が身を助く?

悲しいことに今の時代、会社の中で創意工夫して作ろうとしても冷遇されることもあります。それはモノになるのか、いつできるんだ、失敗はできないぞなど。いくら説明しても理解されないこともしばしば。話は聞くふりはしているものの実は理解しようとする気もないとか、上席がそもそも技術的な話を理解できないなどということも聞かれます。それなら自分でやれる範囲で実現しようというのが今は少しできるようになってきています。デジファブツールももそのひとつです。今は安価で性能のいいものがたくさん流通しています。

昔製造業は花形でした。今は製造業でも実情は買ってきたものを組み合わせるだけとか、人にお願いしたり納期調整するだけといったこともよく聞かれます。社内でものづくりの感覚を持っている人に会えることが少なくて、SNSなんかの方がよく見かけるなんていうこともあるかもしれません。

手に職をつけるのがカタいという考えがあります。製造業にはそういうところがありました。じっくり時間をかけて育成するというやり方です。しかし今は手に職をつけても3年後には職場ごとなくなってしまうこともあります。特に日本の製造業は特殊な工程を組みたがります。その会社でしか通用しない会社固有のスキルはその会社でしか価値を持たず、基本はよその会社に持って行って使うということができません。

それに比べてデジファブ関連は標準的、汎用的なスキルです。たとえ会社がなくなってもスキルをよそに持っていけます。まだデジファブ関連はこれだけで社内に豊富な仕事があるというケースは少ないですが、社外にアウトソースすることも多いのと、今後は活用の機会も増えてきます。これがあるから絶対安心というわけではないですが、何かしら標準的、汎用的なスキルを持っておくと会社の外でも使いまわしができます。

製造業はいろんな業界で大きい変化が起こっていて未来が読みにくくなっています。見通せてもよくて2年先くらいまでではないでしょうか。5年先になるともうまったく予想がつかなくて何が起こるかわかりません。これからは不確実性の高い世界が普通になっていきます。そんな世界ではどう転んでもいいように、常に複数の選択肢を持っておくことが重要になります。すべてのリスクを会社という一点に集中させるのでなく、標準的、汎用的なスキルを持っておくことは自分の身を助けることにつながると思っています。

人は出口のない状況に置かれるととてつもなく大きいストレスにさらされます。小さい出来事でも自分でコントロールできないことが積み重なるとやがては精神的に参ってしまうのは、どれほど頑張っても出口が見つからないからです。たとえ100%の解決にはならなくても、わずかでも自分でコントロールできるものを何かしら持っておくことは精神的にも自分を楽にしてくれるかもしれません。

ヘッダー画像:https://www.dremel.com/de/de

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