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PLA造形品をアニールしても強度が変わらないことがあるのはなぜ?


PLAフィラメントを使って造形・アニール処理し、アニール前後の強度を比較しているサイトがあります。強度が上がっていると紹介しているところがある一方で、手で曲げて確認してもあまり強度が変わっている感じがしない、という記事についても見かけることがあります。PLAのグレードにもよりますが、アニールが確実にできていれば程度の差はあれ、材としては確かに強度は変わっているはずです。

下の図を見てください。PLA樹脂メーカーであるNatureWorksの資料です。3D850と3D870が3Dプリンタ向けPLA樹脂です。アニールで耐熱と衝撃強度が向上するとして多くのフィラメントで採用されています。

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New Ingeo PLA Formulation for 3D Filament Offers Heat and Impact Resistance Rivaling ABS and Processes and Prints with the Ease of PLA

amorphousというのが造形したままの状態、crystallineというのがアニールを行った後の状態です。確かにアニールによって衝撃強度は3D850、3D870とも上がっています。それならなぜ強度が変わらないという結果になることがあるのでしょうか?

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