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鉄道会社に入社してみた

どーも、鉄道会社の総合職の人、です。

質問を受けました。


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質問はいつでも募集中です。以下までお願いします。
https://peing.net/ja/hellorailway

それでは

鉄道会社に入社してみた

についてご紹介させていただきます。

以下、ここではすべての情報を網羅しているわけではありません。


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鉄道会社に入社する方法


タイトルは大層なものだがシンプルにルートは現場採用か総合職採用かの二つである。現場採用について説明する。現場採用とは何か。

各社で呼び方は異なる。そもそもこの現場採用もさらに細かく分岐していき電気の関係、軌道の関係、土木の関係、駅の関係、乗務員の関係。もちろん電気やその他の技術職をひとまとめに技術職としている場合もある。

ここでいう現場採用とは一昔前までは高卒採用と呼ばれるものであったが近年の少子化、仕事への価値観の多様化等で大卒も多い。また現場採用、その細分化された職種ごとの採用の中にも推薦と一般がある。

推薦受験は地元の高校の推薦枠であることが多い。一般はもちろん公開される募集要項に従って応募するわけである。

さてここで疑問に思うことは「今では大卒も現場職を受けにきてくれるのに何故高卒の推薦枠を残すのか?」と思う方もいるだろう。ただ少し考えればわかるように一般合格の大卒と推薦合格の高卒で入社後のパフォーマンスがどちらが高いかなど全くわからないのである。

また高校推薦は地元に名指した事業を行う鉄道会社にとって地元の雇用を確保することは繋がりという意味で持っておきたいものであり、自治体折衝等で地元出身者同士の方が仕事が進みやすい等地元に根ざしているがゆえプラスに働くことは多い。

(同様のことは大卒にも言えるがやはり一般のみにすることは上記のように鉄道会社としては意味がない。単純に入社後の人材の単一化もいいことばかりではないしやはり高卒推薦者は外せない。また個人的なことを言うと鉄道会社への高校推薦枠は一概に言えないが厳しい枠であり、優秀な人が多いと個人的には思っている)

次に総合職採用に説明する。総合職採用とは何か。各社で色は異なるが概ね言えることは圧倒的に学歴主義であり倍率は概ね100倍を超える。セミナーや会社説明会という名の接点から目星をつければエントリーシート提出を待たずに接触と、普通の大企業と正直言えば変わらない。

ただ他の業種と異なるのは圧倒的な地頭の良さだけでは「取りたい」とは思われない点である。基本的には鉄道は社内協業であり、社内調整に頭を悩まされることが大半である。

「契約を取ってくればいい」「良い研究成果を出せる」「優れたデータ分析ができる」は直接の利にはならなず手段であり、内外を動かすための調整に追われる。その辺りの交渉力、ネゴに優れている必要がある。


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どうやって入るか


当たり前であるが枠が広いのは現場職である。現場職への入社を考えよう。上述のように推薦と一般がある。

推薦は入った高校による。推薦枠があるかないかは高校に問い合わせたり、卒業生の進路を調べればすぐにわかる。

枠がありそうなら成績上位者である必要があるので必死に勉強しよう。さてここで総合職の採用に関する記述を思い出して欲しい。

交渉力のような力は現場職にも必要なのか。答えはYESである。総合職だけが鉄道の企画・計画業務に携わっているわけではない。

現場採用でも間接業務に携わることはもちろんあるし現場にいても企画・計画業務に携わることもある。折衝する、交渉する力は現場採用でもいることになる。

つまりこの場合、単に成績がいいだけでなく、部活等の学校活動や学外の活動でさまざまなことやひと、ものとの関わりがある方が良い。

学校側としても鉄道会社に推薦してもいい人はそういう人である。では一般は違うのか。そんなことはない。一般で入社を希望する人も基本は同じである。提出した理路整然としたエントリシート、素晴らしい成績表だけでなく面接での受け答えはそのものが「こういう部下、同僚と働きたいか」という基準の元で合否を裁かれている。明瞭な発声、論理的な話し方、落ち着き、身なり手振り、、、


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将来携わる仕事を今判断できるのか


例えば、ダイヤを作りたいとする。しかし残念ながら入社段階で輸送・駅関係で採用するのはいいとしてその後どのルートで鉄道のプロにするかは正直考えられていない。

適性をその時点で測ることは困難である。入ってからやりたい担当に就くために努力する必要がある。判断されるという点で言うとあまりに入社以前からダイヤを作りたい等、これがしたい!と主張することはオススメしない。

もちろんやる気は大事であるが時期によって人数、他の人の適性などいくらでもやるべき仕事、与えられる仕事がある。それら自身の希望する仕事以外の仕事をネガティブにこなしてもらっても困るわけである。

同様に鉄道が好きなことは大事だけれど、時には広報、経理、総務なんて仕事をやる可能性もある。あまりに鉄オタ知識をアピールされると面接官もひく。


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まとめ


さまざまな経験が入社への道には必要である。時には恋愛や友人関係から学べることもあるだろう。弊社の幹部は「鉄道とは自然科学であり、社会科学である」と言う。

重厚長大産業、科学技術の塊である鉄道だが、一方で社会科学である。社会からの承認、世論の理解、人々の思いを基礎に事業を営んでいる。

狭い知識や視野では豊かで便利で安全な鉄道サービスを供給することはできない。入社を望む人はさまざまな経験をし、俯瞰的に物事を見て、多角的に判断できる力を養ってください。

コロナ禍でなくとも人口減少時代における鉄道は正直厳しい。そんな状況だからこそ志を持ってこの業界に入り少しでも誰かの力になりたい、地域を盛り上げたいという人に入っていただきたいものである。


おわり

サポートいただけましたら速攻で本を買い、読書録を書きます。ご希望ありましたらメッセージをお願いします。交通、鉄道、就職、恋愛、筋トレ、なんでもござれ。よろしくお願いします。