見出し画像

小鮒草

2022年3月。
草木染めの先生に、´ コブナグサ ´と書かれたタネを頂き育ててみる。

するとプランターに次々と生える
…雑草

このプランターだけ雑草がやたら生えるなぁ。。
と思って一生懸命に抜いていたら

ふと。
ん?これがコブナグなの?

はい。小鮒草でした。

〈プランター小鮒草〉

小鮒草(コブナグサ)
Arthraxon hispidus Mak.
イネ科 1年草

葉の形がフナに似ていることから
コブナグサ

日本全国の田んぼの畦道や少しじめっとした田畑に生えている、本当に普通のいわゆる雑草です。

なぜ先生はこの小鮒草を私にくれたのかしら。
不思議に思って調べると

八丈島の伝統絹織物である ´ 黄八丈 ´を染める際に利用する植物

八丈島の!!!

こうなったら私はすぐに伊豆諸島を知り尽くす友人に連絡。

「黄八丈の作家さんに、コブナグサ見せてもらいたい」

プランターで育つ植物と野生で育つ植物は大きさが違うし

南国 八丈島でたくましく育つ小鮒草はどのくらい大きいんだろう。と気になってしまったからです。

そして気になったらすぐやりたくなる。
小鮒草を取り寄せ(小鮒草の収穫が染色に足りなかった)

〈染液抽出中〉

くつくつとクサを煮込む…

立ち上がる香りは、草原の香り
さすがイネ科!秋のお米収穫前の田んぼの香り

〈染液〉

お茶??って聞いてしまった…

香りは草
見た目はお茶…

〈無媒染 10分中〉

草木染めは植物が持つ色素を引き出すため
時に石灰や木灰を加えてアルカリ性
お酢を加えて酸性の色を出したり

空気に触れさせて酸化させて赤みを出したり

アルミや鉄などの金属イオンと結合させたり

植物色素によって技が変わります。

八丈島の黄八丈の黄色の部分は
小鮒草の色素に椿灰を加えて
鮮やかな黄色に染め上げて行くのですね。

〈無媒染 10分後〉

こんな感じで
ただ染液に漬けただけなら
最初はほんのり淡い黄色?って感じ

八丈島では、絹糸を何度も何度も浸して
陽の光の下では黄金色に輝く黄色に染め上げる

のですが
私たちには貴重な椿灰は手に入りにくく高価ですから

〈アルミ媒染15分〉

アルミニウムと結合させてみました。

アルミニウムというと難しいですが
スーパーなどにも売っている
手作りお漬物などで使う
ミョウバンを利用。

黄八丈ぽく
黄色と黒で仕上げたくて

〈黄色はアルミ カーキは鉄媒染〉

黒っぽい色を出すのは鉄媒染

染色の材料屋さんで鉄媒染の染液が売っていますが
手作りすることもできます。

おはぐろ と呼ばれるもの。

まっ黒ではなくカーキ色に仕上がり
これもいい!

〈かぼちゃはたまたま家にあった 最近のお気に入り〉

秋色ストール出来ました〜。

黄色は黄金色ではないけれど
染めて改めて分かる

白のシルクをあの黄金色に染め上げられるのは
やっぱり八丈島で八丈島の植物と

水 土 空気

八丈島の全部がそろって
あの可愛らしい黄八丈が仕上がるのだと。

そして、実はちゃんと
今回の旅では黄八丈について色々調べて観て来ました

が。
様々な場所で許可を頂くのを忘れ…
記事に掲載出来ませーん!

ごめんなさーい! 笑

でもでも。

〈帰り道に嬉しくて〉

貴重な八丈島の小鮒草を大切に抱えて
持ち帰りました。

2022年11月3日 西荻窪の教室でみなさんとシェアしてストール染めを行います。

限定2名様 ご予約はホームページからメッセージください。

また、当日ご案内するテキストは、BASEにて販売中!
テキストをご購入の方は当日のクラスをオンライン受講頂けます。(材料などはご用意ありません)

ご希望の方は、お気軽にご連絡ください。

草木染めについては
また改めてnoteでご紹介しますね。

ただの雑草を黄金色に染めちゃうなんて。

八丈島の人々の知恵と技に
感激です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?