フリーのデザイナーのかた、PSDはお金をもらって納品するが正解です

ウチの会社で作成するウェブサイトはPhotoshopでデザインを起こし、その後コーディングを進めていきます。この「デザインデータ」を納品すべきかどうか結構悩まれているデザイナーの方も多いみたいなのですが、私の答えは「お金をもらって納品する」です。

中間成果物は納品の義務があるのかどうか

議論のポイントとして「デザインデータ(中間成果物)に納品の義務」があるかどうかです。「ウェブサイトの制作」という依頼だった場合、最終的に納品するデータはサイト公開のためにアップするデータが納品物になります。

PSD(Photoshopのデータ)やAI(illustratorのデータ)、XD(ワイヤーデータ)などの"中間成果物"の納品義務は契約書に記載がなければありません。著作権は制作した側に帰属されます。

見積書にもはっきりと「有料」である記載があり、その内容で発注をいただいているのであれば当然有効な内容であってしかるべきです。つまり「納品するかしないかは制作側に決定権がある」と考えても差し支えありません。

基本的にはPSDに対してお金は払ってもらえる

「PSDでお金が取れないよ〜」と思う方もいるかと思いますが、私の経験だと基本的に費用はいただけます。うちの会社はデザイン費に対して15%の費用でデザインデータも納品しています。10万円のデザイン費だったら1万5000円をデザイン素材費として設定(さらに別でディレクション費などもありますが)しています。

そして有料ではあるが「購入する権利自体はクライアント側で選択できる」ことを前提にしています。

「運用もまるっとお願いするからPSDいらないよ」と言われたら全然オッケーですからね。相手にとっても見積もりから不要な科目を削れるメリットありますしね。

社内のデザイナーに納品する・しないは伝えない

社内のデザイナーにデザインを依頼する際に「今回のクライアント/案件はPSDを納品する・しない」は特に伝えていません。毎回伝えるのがめんどくさいですし、納品する・しないでデータ構造・クォリティが変わることが気持ち悪いからです。

常に納品する前提でPSDを整理しながらデザインを作ってもらっています。これは特段大変なことではなく「超サイヤ人を常にキープする」とか「全集中の呼吸を維持」とかと同じで、トレーニングと集中力の維持でできるようになります。

お客様から「やっぱり納品して」とか、終了した案件の数年後に「あの時ののデータある?」等への対応ができるのも強みです。

デザインデータ作成までしかしない非コーダーのデザイナーの方の場合

コーディング自体はせずデザインデータまでしか作らないデザイナーの方は見積書の書き方がポイントになりますね。

「第三者がコーディングするからデザインデータ納品は当たり前だよね?」となるので。「デザイン費」「デザイン素材費」と科目は分けずに「デザイン(PSDデータ含む)費」といった項目にすると、よいかと思います。

例えば「コンペ用デザイン」「バナー納品」のように、そもそも最終納品物がデザインデータではなく、JPGやPNGで済む場合があるので、その場合は「デザイン費」「デザイン素材費」は分けて出す形にするなど自分の中での単価表と計算式は持って提示していくことが重要かと思います。

基本的には何を納品すべきかは自分たちで決めるべき

前回「価値は自分で決めよう」とnoteに書きました。基本は今回も同じ話で、「提供する価値に値付けするのが自分たちの役割」と考えると、お金を取ることは全く変な話ではないですからね。

PSDなどの中間成果物を納品するしないは、お金をもらって納品すべきがファイナルアンサーと思っています。

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