見出し画像

息が続かないのは(人は)どうしたらいいのか、

(Top イラスト  イラストAC > KONIさん)


歌唱中に息が続かない原因は何か

レッスン希望者の相談の中で、「歌っているといつも息がもたなくなる。私、肺活量がないんです。」という話をちょくちょく聞きます。
しかし問題は肺活量ではない場合もかなり多い。
肺活量をつけるトレーニングをしたい、という気持ちがあり方は良いことですので是非やって欲しいのですが、解決するには別な観点が必要な場合も多い。

実際に肺活量が充分にあっても、歌うと息がもたなくなるという人も結構いるのです。「
普通に生活ができるレベルの肺活量があるのに、普通の歌を歌っていて息が持たなくてキツくなる」というのは、やはり肺活量が原因では無い確率が高いでしょう。


先にズバリと原因だけ言うと、「声門が開きすぎてしまう(うまく閉じられない)
一対(2枚)の声帯の縁の角度と位置を綺麗にそろえられない事にあります。
肺活量がいくらあっても、出口が開きすぎていればすぐに息がなくなってしまう、ということです

息が長持ちする発声は、声門がきれいに並んで閉じて声帯に張りのある状態。効率よく息が声に変わる発声と言うことになります。

それに対して

息がもたなくなる発声は
声門がうまく閉じられていない
声帯に張りを作れない
声帯の縁が歪んでいる
声帯の縁がズレてしまう
等の状態。

要するに、息まじりの声=息漏れが多い声 という捉え方をすれば、
当たり前ですよね。息漏れが多い発声ほど、息は長持ちしません。


声門が綺麗に閉じられると、無駄な息は抜けにくく、
効率よく息が声に変換されるので、息切れせず長く歌えます。


わかりにくいケースとして
しっかり声門を閉じようと気にする事で、声帯が硬くなって振動しにくくなり、声にならない息が増えてしまっているという場合もあります。

自分的にはしっかり閉じているつもりなのに、やっぱり息が長続きしない、という事で、何が悪いのか分からなくなっているというケースです。

まず、声帯を閉じるというのは、喉に力を入れることではない!
という事を頭に入れておかなくてはなりません。
喉を締めるとか、声帯を押しつけるような事では無いのです。
勘違いすると解決しないどころか逆にもっと歌えなくなる場合すらあります。



どうすれば良いのか

ではどうすれば良いのか、というのは、文章でお伝えするのはかなり難しいのですが、


まず、声帯の性質についてとらえていただいてからだと分かりやすいので、性質を頭に入れてください。


声帯筋や周辺の筋肉は、不随意筋ととらえる専門家や、半不随意筋というような言い方をする人もいます。

不随意筋とは「自分の意志によって動かす事ができない筋肉」の事で、声帯を動かせなどと言われても意識的に動かす事ができないので、不随意筋ととらえる人がいるのです。

また、半不随意筋という言い方の意図は、声帯を動かそうと思っても動かせないが、声を出そうと思えば声帯が閉じて振動し、声を出さないで息だけ出すと思えば声帯を緩めて開く事ができます。このように声帯そのものだけを意識を持って動かす事はできないのですが、

声を出す、出さない、
喉を締める、締めない、咳をする
などの動作の意志によっては、声帯を動かす事ができる
わけです。

なので、半不随意筋ととらえる
人もいるわけです。

いずれにしても、声帯の筋肉を意識で直接動かすのではなく、発声のイメージと喉や口の開け方や舌の動きなどの周囲の筋連鎖を使って動かしていきます。

これを踏まえて喉の感覚と声質を聴きながら判断していきます


動作から声帯を閉じる声を誘導

ここから先は

3,641字 / 1画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?