見出し画像

【環境文学】太古の海

ポケットに
貝の化石を入れて
来てみたい場所があった
そこは鬱蒼とした森

この森は
1000万年前
太古の海だった

真夏の太陽が
森を強く照らしつける

太古の時代
ここはダイカイギュウやクジラが
悠然と泳ぐ海

ポケットの貝の化石を
握りしめると
不思議な感覚になる

空が海のように青く深まり
流れる雲が
ダイカイギュウやクジラに
見えた

真夏の太陽が
天の水面に
優しく揺れるような気がした

ヒグラシの声は
クジラの遠い鳴き声

命を育んだ
ここは太古の海
ずっと貝の化石を
握りしめて
幻の海で呼吸していた

喜多方市山都町

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?