飛び出せ言葉♪ おもしろい発語
夕暮れ間近、私がいそいそとスーパーの入口へ向かうと、やはりいそいそと1人の女性が目の前を歩いていました。
店内に入りカートを掴んだその女性は、「わ!気持ち悪い」と叫びました。
ビックリした私は女性の背後で立ち止まっていると、女性は私に気付きバツ悪そうに「誰かの温もりが…」と言って笑っていました。
瞬時に私は理解し、「あ!分かります」と笑って共感してしまいました。誰か分からぬ人の温もり、例えば誰かが座っていたであろうイスの温もりとか、一瞬「うわ!」と思ってしまいますよね。
その女性は言葉に出てしまうほど驚いたのですね。私もその言葉に一緒に驚いたことを、思い出しては家で爆笑してしまいました。
突然、口から飛び出す言葉って面白いですよね。そこには、紛れもない真意が表れています。
子供たちがまだ1歳~2歳だった頃の、面白かった発語を思い出します。
長男はたまに車で通る、道路わきの大きな牛舎のある道に差し掛かると、「モーモー」といつも喜んでいました。ある日私はその牛舎に差し掛かった時「ほらモーモーだよ!」と窓を開けると…長男はなんと「モーモー」ではなく、「クサイ」と言い放ったのです。
初めての「クサイ」という言葉の発語でした。よもやよかれと思って開け放った窓、「クサイ」と意思表示できた嬉しさと、開けちゃってごめんという思いで笑いが止まりませんでした。
また、娘の初めての2語文も衝撃的でした。親子4人川の字で寝ていると、間に挟まれて寝ていた娘は暑かったのでしょう。枕の方に全身移動したと思ったら、転がるように布団を飛び出し、壁に激突したのです。そして、「ニイニ(兄)・イタイ!」と怒り口調でした。これが、娘の初の2語文でした。
決して「ニイニ」は何もしておらずスヤスヤ寝ていたのに。きっと、普段よく一緒に遊んでいたがために、「ニイニ」と軽くぶつかって娘はちょっと痛い思いをしていたのでしょう。娘は2語文を言い放った後、呼びかけても起きずにぐっすり寝ており、深夜にまたもや私は笑いが止まりませんでした。
そして最近、私自身に不思議なことが起こりました。車を運転中、小さな交差点の手前で信号が黄色に変わりました。慌てて車を停車すると、対向車線の車も慌てて止まりました。何気なく対向車線のその車を見ていたら、運転手の女性は何やら両手を顔に当てうつむいたかと思うと、涙を拭くような手の動きをしていました。何となく女性が号泣している気配を感じました。私は「何か悲しいことがあったのかな」と気になってしまいました。
すると、突然頭の中に「God bless」と浮かんできたのです。そして、それが「あなたに神のご加護がありますように」という意味であることも理解しました。
家に帰って調べると、「God bless you」を「Bless you」「God bless」と短く言うこともあるようでした。海外ではくしゃみをしたら、このフレーズを使うようです。
しかし、私は長い人生の中で、今まで一度も使ったことも、言われたこともありませんでした。周囲に帰国子女がいるわけでもなく、どうして頭に浮かんだのかも分かりません。どこで覚えたのでしょう?記憶にありません。「映画?天使にラブソングを?」と思いましたが、日本語吹き替えでしか映画は見ません。
自分自身、この発語に「あなたは誰?何で英語?」と笑ってしまいました。「Oh my God!」ならたまに使いますが。
子育て中は、「言葉のシャワーを浴びせる」とよいと聞いたことがあります。発語を促したり、語彙を増やしたりすると言われているようですね。浴びせすぎも良くないようで、程よいシャワーの調整が大切だとか。
そして、「God bless」が浮かんでから数日が経ちますが、あれから私の英語の発語は一切ありませんでした。幼児期には日に日に語彙力が増えるのに。私は「英語のシャワー」が足らないようで、残念ながら英語力が開花することがありません。
もしかして、あの「God bless」は、私自身への言葉だったのでしょうか…
言葉の真意を知りたいです。
「他の人のことなど考えてる暇があるなら、自分に集中しなさい」ってことなのかと自問自答している今日この頃です。「Oh my God!」