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映画『エンパイア オブ ライト』

2023年2月23日公開の映画。試写会に行ってきました!
1980年代初頭のイギリスが舞台のヒューマンドラマです。
独身の中年女性が主人公で、映画館の従業員をしてて一回り年下の青年と恋に落ちる話…が大筋。
BGMもあまり使われず、演者の呼吸音や細かい物音がしっかり聞こえます。
騒動を引きで撮るシーンも多くて 淡々と日常を映すフランス映画っぽい雰囲気の作品でした。
主人公の境遇が恵まれてなくて、しかも現実味を帯びてるがゆえの悲しさがあるんですが、他人の人生みると自分の人生を考えさせられて良いです。
日々惰性で生きてる人は観ると良いかもw

有名な小説エミール・ゾラの「居酒屋」を思い出しました。あれ読んだ時の生活の生々しさや暗い気持ちに似てる。

---以下ネタバレ---
冒頭でいきなりパワハラのエ○シーンがあります。
後々に青年との絡みもあって、オフィス内でセッ○スし過ぎやろって思ったw
私は年の差カップルが地雷(若さが勿体無いって思ってしまう)なので感情移入できなくて寧ろ女主人公ヘイトだったんですが、観てるうちにおばちゃんはおばちゃんなりに一生懸命生きてるんやなって思ってきて 女主人公が閉館後に映画試写で涙流してるシーン見てもらい泣きしました。

女主人公は統合失調症を患っていて、客に怒りを爆発させて入院してた過去があり、投薬で感情を滅して社会復帰。そこへ黒人青年がアルバイトで入ってきて 彼の魅力に落ちるわけです。
若い女性従業員も彼の事が好きなので女主人公は年齢的に引け目を感じてしまうんですが、黒人青年と両思いだったので上手くいきます。

砂浜デート中、男に命令される事が引き金となって再び精神が不安定になり、砂の城を怒鳴りながらめちゃくちゃに踏み潰します。
映画館のセレモニーで突然スピーチして場を困惑させたりも。この時の歯紅(歯にだらしなく赤い口紅が付いてる事)とか芸が細かい。怖いです。

統失が主人公だと、今までのシーンの信憑性が危ぶまれるんですが(全部妄想でした、ってネタとしてありがち)、
今回は第3者のメガネ従業員が「(パワハラ男の奥さんに向かって)不倫してました」「あなた達、付き合ってますよね」って言ってたから真実だとわかりやすかったです。

時代背景的に差別で黒人青年が大衆にリンチされるんですが、無事回復して、ラストは抱擁で締めるのも救いがあって良かったです。

わりと行間を読む映画なので大人向けの話で面白かった。暗いけど。

その他のどうでも良い感想。
試写会開始前の上映挨拶で当選倍率10倍と言ってました。懸賞運は相変わらず良い様ですw
伏見ミリオン座という場所で観たのですが 映画館レビューに椅子の座り心地最悪(2019年)って書かれてたけど 改良したのか、現在の3階フロア席は腰当て付きの革張り椅子で座り心地とても良かったですよ。

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