ある駅前に生まれた△地帯。「何もない」はすばらしい!
数年前。最寄り駅前に、三角地帯が生まれた。
それができる前に市からアンケートが送られてきた。三角地帯に何ができたら嬉しいか教えてくださいというモノだ。
当時、この町にはボールを使って遊べる場所があまりなかった。なのでボールが遊べるネットを張った公園が欲しいという旨を書いた。しかし公園を造るよりもきっと商業施設の方が良いと考えるような気がしたので、もう1案書いておいた。
建物を建てて、中野のような独自のカルチャーが生まれそうな店を呼び込み、違うフロアには子育て支援系を入れ、最上階にネットを張ったボールが使えるアソビバを設けるというプランだ(今打っていて思ったが、統一感ないな笑。でも自分が住んでいる町から独自のカルチャーが生まれれば嬉しいと思ったのだ)。
するとその後、工事がはじまり三角地帯が完成した。
三角地帯は何もない空間となった。建物も遊具もない。ネットもないからボールは使えない。正直どう使って欲しいと願い、つくられたのか分からなかった。
しかしこの前、そこで赤ちゃんがハイハイをしていたのだ。
多くの母親は、外で赤ちゃんをハイハイさせない(芝生の公園ならば別だが)。母親はその場所が安心であると知っている様子だった。だから赤ちゃんがハイハイしていても、慌てるそぶりは見せないのだ。
私は衝撃を受けた。
「何もない」って、すばらしい!
そして「安心」と知った人は強い。
何もないところに足を踏み入れるのは、勇気がいるかもしれない。
でも一歩踏み込んで、「あれ、ここ大丈夫な場所じゃない?」と理解すると人はもっと知ろうとする。冒険だってできるかもしれない。
そうやって生まれた先に、愛着や使いやすさが生じるのではないか。市は予算云々で適当に決めたのではなくて(ごめんなさい、最初はそう思っていました笑)、何もないからこそ何でもできることに期待してああいうカタチにしたのではないか。
そんな風に思うと、自分の町が誇らしくなった。
「やるじゃん●●市(笑)」
(ちょい跳ね←わかる人はわかる?)
ちなみに時々、三角地帯ではビールフェスタや市民祭り(メイン会場は別だが)などが行われる。もしあそこにビルが建っていたら、ふらりとビールを飲みに立ち寄ることはできなかっただろう。建物内で行われているフェスタに行くのと、屋外に屋台が並び開催されているお祭りでは開放感がちがう。見た目、音、もしかしたら焼鳥のにおいもするかもしれない。
だからやっぱり、三角地帯には「何もない」ほうが良かったわけだ!
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