マガジンのカバー画像

短編

1,185
短編小説を集めました
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

半径2メートルの非、リアル

 僕は全く普通の人間だが、僕の付き合ってる連中は普通では全くない奴らばかりだ。僕は何故か…

23

甲子園

甲子園に着いた途端、缶詰高校野球部の部員は一斉に泣き出した。そしてひとしきり泣き尽くした…

19

マーダー

 男は刃物をチラつかせ不適に笑った。そして彼は頭を掴むなり首元に刃を当てたのだ。それを見…

25

続・人情酒場 第三回:曾祖伯父

 若い客は女将の言ったことが分かりかねて思わず聞き返してしまった。それを見た女将は少し慌…

15

続・人情酒場 第二回:再訪

 それから若い客は来なくなりいつもの人情酒場に戻ったものの、あの出来事があってから女将は…

16

鏡の中の自分を壊せ!

 僕は今日も鏡を見つめた。全く見れば見るほどおぞましいヤツだ。こんな醜い自分がいるなんて…

19

続・人情酒場 第一話:見知らぬ客

「よぉ来たぜ!」と勢いよく『人情酒場』の暖簾を開けたタコ爺は、さっそくいつものようにカウンターの席に座ろうとしたのだが、しかしその席にはすでに見知らぬ若い男が座っていたのだった。タコ爺はこの見知らぬ先客の登場に腹が立ち、この男を礼儀知らずめと店から叩き出そうとしたのだが、その時、後ろのテーブル席のイカ社長が必死な顔で手を降って自分を呼んでいたので、若い男は後回しにしてとりあえずイカ社長のもとへ向かったのだ。 「おい、イカ社長!なんでえ!オイラお前さんに構ってる暇ねえんだぞ!」

ノストラダムスの大予言

「ノストラダムスの大予言が実現しなかったらさせればよかっただけだ。現に僕は彼の予言通りに…

17

やる気なし

今日はいつにも増してやる気がなかった。外出どころか細胞さえ動かす気がなかったのだ。僕は勝…

19

フーゴーワルツ氏

 私とフー・ゴーワルツ氏が出会ったのは十年ほど前のことであった。当時彼は無名であり一介の…

14

 雨が降ってきた。僕は顔を上げ、このすべてを流すようなシャワーを浴びた。そう僕は雨に身を…

22

自分てなんだろう

と時々考える時がある。そんな時いつも病気なのかなと思い、それ以上考える事をやめてしまおう…

29

土曜日

 土曜日は土に帰る日。そう私は決意したの。もうすべてを捨ててしまおうって。今私は暗い壁を…

22

金曜日

 金曜日は金のならない木だ。木曜日から金曜日に日にちが変わる時私はいつもそう思う。結局私は金曜日までに金になることはなにもしなかったのだ。私よりも優秀な人だったら日曜日は日光を浴び、月曜日は月を眺め、火曜日にスタートダッシュの火を起こし、水曜日には撒いた種に水を上げて、木曜日には育った木から金がなるのを待ちわびているはずなのだ。しかし私は今週も無駄に過ごそうとしている。そう落ち込んでる私を見かねて友人達が時たまこんな事を言って慰めてくる。「そんなに落ち込むことはない。お前には