四月にサヨナラを告げて
平次は四月から自宅待機していた。別にコロナのせいではない。ただバイト先からあまりにも使えないためクビになったのである。しかし彼はこれで朝の通勤も楽になったと喜び喜んでクビの宣告を受けたのだった。それから特に何をするという訳でもなく、ただ毎日テレビやスマホの動画を見て一日を過ごしいた。
しかしそうやって無為に一日を過ごしているとだんだん何もする気にもなれなくなった。そしてとうとう平次は一日中寝ながら過ごすようになった。家賃の催促に管理人がドアを叩いても平次は布団から出なかった