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写真エッセイ

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たゆたうようにつらつらと
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2024年2月の記事一覧

初夏の人工湖にはペリドットと夏の予感

早苗は日の光の中、ペリドットのように透明だった  向こうには、新幹線の高架橋が見えていました。  この時期、水田の里には、人工の湖が出現します。その水面の煌めきに魅了されて、貴方が近づいたとしたならば、今度はそこに可愛らしい萌黄色の早苗たちを発見することになるでしょう。 ※このnoteは他ブログに令和5年5月12日投稿した記事の転載です。現在他ブログから記事を移送作業中なので、タイムリーではありません。 はやくの夏の到来を祈願して・・・  新幹線からも見えるでしょう

海の色って、どうやって伝えましょうか?

モノクロフィルムで海を見る  カラーフィルムで撮れば、いいではないか。とは、言わないでください。それで物語は、終わってしまうのですから。  スマートフォンやデジタルカメラで撮って加工したら、いいではないか。とも、言わないでください。白黒フィルムを自分で現像している時間が、ただ好きなのです。  じぶんでもよくはわからず、私は、だれかにこの海の色をおしえてあげたいのに、今日も黒白フィルムで海を撮っています。  でもそれは、多分、可能なことなのです。なぜなら、  ひとは、文字

なごり雪とショートケーキ

その雪も、一夜の夢  少しだけ昔の話。それは2022年、4月30日のことでした。  突然の春の嵐、目覚めればユキハラ。  しかしそれも一夜の夢。昼前には名残り雪は逝き、変わらぬ春の日差しが訪れたのでした。  それでも、目に焼きついた光景は数年経っても脳裏からは消えず、ただ「雪とチューリップは苺のショートケーキ」というイメージだけが、私の中に残ったのです。 film : Kodak Color Puls 200

影は幻影.3

桜の海をさまよう、そんな日でした  その日は桜を求めて、どこまでも歩いていたい気分でした。空気は清浄だったと思います。桜の木には、なにか浄化する装置でも内蔵されているのかしら? どこまでも歩いていると、そこはどこにでもあるような、でもどこでもないような、そんな時空に変質して行きます。迷い込んだ先にはまた桜。でもそれはとても心地の良いことなのです。ピンク色のようで白く、白いようで透明色の花びらたちは、なんの歌を歌っているのでしょう? 私はそっと聴き耳をたてました。 ※このn

影は幻影.2

さくら通りを抜けて  桜咲く季節は、遠くに行かなくとも旅気分。  もうすぐこの季節が終わるのかと思うと名残惜しく、はらはらそろりと歩きます。 ※このnoteは他ブログに令和5年4月5日投稿した記事の転載です。現在他ブログから記事を移送作業中なので、タイムリーではありません。 モノクロざくら 桜色。したサクラの花々をモノクロフィルムで撮影していると、直接光をフィルムにつかまえているような面白さがあります。  でも、フィルムで、しかも黒白フィルムで桜を撮影していると、デジタ