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ついにKが私の名前を言った!!TA(教諭補助)という仕事その4

He made my day!やったあー!

最近英語に関しての投稿が続いたので、久しぶりにTeacher Aideの仕事の話を書こうと思う。

私は特別支援学校でTeacher Aideをしている。
私のクラスは6歳から8歳児のクラスで全員重度の自閉症児だ。言葉を発さない、または発しても会話は成り立たない。同じ言葉を繰り返して発する。
発話による少しコミュニケーションが少し取れる子は一人クラスにいる。このように言語によるコミュニケーションが困難なため、うちの学校ではヴィジュアルカードというものを使用している。

これは一例で日常生活をほぼこのカードで網羅できる。

子どもたちがトイレに行きたいときはこの「トイレ」のカードを指させばいいし、私たちも「トイレに行きたいの?」とカードを指して聞くこともできる。コミュニケーションツールとしてお互いストレスを軽減することができる大事なカードだ。

私のクラスのKは、彼は自分の好きな歌を歌ったり、オウム返しはできるが、コミュニケーションという点で発話するのは非常に難しいようだ。なのでいつも彼はこのカードを指で指したり、持ってきてみせたりして私達とコミュニケーションを取る。その際に発話はない。その時、こちらもカードを使いながら彼の発話を促すようにする。ます、言葉をインプットするのだ。彼はスペリングもなかなかいいし、歌も歌えるのでぜったいに言葉を覚えて発することができる!と私のクラスの先生、TA達はみな思っている。

Kは私に挨拶するとき、「Hi, K」と言う。Kは彼のの名前だが、私がいつも「Hi, K」というので、オウム返しをしているのだ。いつか、「Hi, Toni」と言ってほしい!ちなみにToni は私の本名ではない。私のクリエーターネームだが、ここではこの名前を使わせてもらう。私の名前を憶えて欲しいので、何回も教えた。もちろん、他のTAの名前、担任の名前も同時に教えた。いつかその日が来ると思って。

今週金曜日、彼は大きいタントラムを起こした。お気に入りのTAが休んでしまったため、いつもと違う状況に対応できなかったのだ。彼は、そのTAと一緒にトイレに行きたかった。彼は金切声をあげ、大暴れした。私はカードを使い、「S(TAの名前の頭文字)sick today. S no school today.」と何度も説明した。すると、Kは「S no school today.」とリピートしながら理解したようだった。だが、感情が追い付いていかないのか、また暴れだした。落ち着き、理解し、また暴れだす、それを何度も繰り返した。そのうちだんだん落ち着いてくれたのでよかった。その後、2時限目になった。2時限目の半ばを過ぎ、勉強が終わった子はトイレに行った後に外に出て遊んでもいい。Kはそのことを知っている。Kは私の写真のカードと、トイレのカードを持ってきて、

「Toni Toilet」と言ったのだ!


なんと、まあ!!!初めて私の名前を呼んだのだ!嬉しすぎて一瞬固まった私だったが、そうだ、Kをトイレに連れて行かなければならない。Kをトイレに連れて行き、おむつを替え、一緒に校庭に出て遊んだ。お気に入りのSがいないならToniに頼むしかないのだ。彼はそのことが理解できたのだと思う。そして私の名前をちゃんと自ら言うことができた。。。泣

涙が出たよ。。うれし泣き。人知れず、こっそり泣いた。

今は学年主任の先生も自閉症児の子に彼女の名前をおうむ返しじゃなく言えるようになるまで2年かかったと言っていた。その彼女に、彼らの歩みは遅いと感じてしまうこともあるけど、それはかれらのスピードである。だから私たちはあきらめてはいけない。とミーティングの時に言っていた。最初に私の名前を教えたのはちょうど一年前。やったね!K!

この仕事をしているとほんとに心を動かされたり、嬉しくなったり、生徒の成長を見るのが楽しみだったり、楽しく働かせてもらっていると感じるときもあるが、もちろん、大変なこともある。このクラスはちょうど一年前から始まった。ピカピカの一年生だった。クラスの半数は幼稚園も保育園も行ったことがなく、初めて家族から離れ、集団生活に入った。一から学校で生活することを教えた。それはそれはもう、大変だった。

だが、子供たちも新しい環境に慣れるまで私たち以上に大変だったと思う。自閉症児にとって変化は苦手なことの一つだ。

私は毎日くたくただったし、仕事が終わって町を町を歩いていたら友達に会って、「大丈夫?なんか、魂抜けてるみたいだけど?」と言われたりした。疲れすぎて魂が抜けたようだ(笑)

その大変だった最初の一学期のことはまたいつか書こうと思う。





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