体調不良の憂鬱

私は今、闘病中だ。急な癌の告知に、転移も見つかって土曜日からの3日間、身動きが取れないくらいに落ち込んで、どん底かって思うくらい体調不良に悩まされた。仕事も休んで病院に駆け込んで、泣きに泣いた。とても正気ではいられなかったけど、会社の社長には身体的、精神的にしんどすぎて仕事が出来ないとメールした。

およそ、目上の方へのメールとは思えなかったけれど、取り乱しているのだけは伝わったのか、社長は何度も身体が一番だから、と言って何かあったらメールしてと冷静に返してくれた。こう言う人が、本当に大人なんだろうなと思う。

私の両親は私が物心付く前に離婚していて、父の顔も名前ももう、分からない。母が連絡を取り合っていた形跡もなかったから、連絡先も知らない。母も5年前に亡くなり、何かあれば頼りなさいと言っていたいとこも昨年末、癌を患い亡くなった。二人いた叔父も、1人は亡くなってしまいもう一人のおじさんは施設に居る。いとこ達もそれぞれ家庭があって、しかも私とは遠い土地に住んでいる。

実質、私には頼れる人間がいない。自分一人でなんとかするしかない。17歳になる息子は、中学進学と同時に不登校になって、今も引きこもり。息子を置いて、死ぬわけには行かない。だから、病気に、癌に、勝つと決めた。

怖くて仕方ないけど、これは多分、今まで私が歩んで来た人生で他人にしてきた身勝手さや自分勝手さが自分に返ってきたって事なんだろうと思う。中途半端に良い人ぶろうとして、傷付けてきた人のなんと多いことか。

少し考えれば分かることを、私は我慢出来なかった。自分は悲劇のヒロインなんだと思い込んで居たのだから、滑稽だ。でも、だからこそ思う。もう、良い人は辞めよう。開き直って本当の自分勝手な人になろうと思う。

憎まれっ子世に憚ると、良く言うのだし。私もそれになりたい。優しいとか素直とか良い人とか、言われたり思われたりしなくて良い。

体調が悪くて、疲れて、最低な気分のままそんな事をぼんやりと考えて、また泣いた。声を押し殺して、泣き続けて思う。この涙は何の涙だろう?悲しいの?苦しいの?懺悔なの?

答えは、まだ見えない

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