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”登山ゲーを作る”とはどういうことなのか

みなさんこんにちは。nattuhanです。

この度、ないちさんが年に数度Unityroomにて開催されている、Unity1week(第18回)というゲームジャムにて、『Time to GOLF』というゲームを作りました。

このゲームはいわゆる”登山ゲー”と呼ばれるゲームなのですが、こういったゲームを作るとはいったいどういうことなのか、そして制作者としてはとても面白い体験をすることができたのでその体験も含めて書いていこうと思います。

はじめに - 登山ゲーについて

皆さんは”登山ゲー”と呼ばれるゲームジャンルをご存知でしょうか?本当に山を登るゲームを連想された方もいらっしゃったかとは思いますが、基本的に”登山ゲー”と呼ばれるのは『Getting Over It with Bennett Foddy』を筆頭とする「シンプルな操作のくせにクリアするのがめちゃくちゃ難しいゲーム」のことを指します。

上記のゲームが3大登山ゲーと呼ばれるゲームです。ちょうど今Steamでウィンターセール中ですのでぜひ遊んでみてください。
特におすすめなのは『Pogostuck: Rage With Your Friends』(通称:ポゴ)です。この中で一番安いにも関わらずボリューミーで楽しいです。(そして落ちた時のショックも随一。)

起 - なぜこんなゲームを作ったのか

直接的な要因となったのは、上にも書いたPogostuckというゲームを約40時間ほど遊んでいて(未クリア)、一度こういうゲームを作ってみたいなと思っていました。
さらに、前々から買いだめていたローポリスタイルのモデルアセットを、さすがにどこかで使ってあげないといけないと思っていたので、それを一気に使うという目標もありました。

そこに、年の瀬にUnity1weekが開催されるという情報が。Unity1weekには絶対に参加するぞと思っていたので、これを機会に作ってやれということでどんなゲームになるのかな~と妄想を2,3週間くらい前から始めていました。

そして「あける」というお題が発表されます。

あける…あける!?全然登山と関係ないやんけ!!!!!

ま、ええか。(いいよ)
登山ゲーへの門をプレイヤーに「あけて」もらう、ということにしよう。

承 - Unity1weekのはじまりはじまり

そうして自身の参加が2回目となるUnity1weekがスタートしました。

今回の自分の1週間の作業スケジュールはこんな感じです。

- プロジェクトを作ってアセットをインポート。ボールのモデリング。
- ボールを打ち出すスクリプトを書いた。検証用のステージで軽く検証。
- ステージ作成。リンゴを超えていくまでを作る。SEをつける。
- ステージ作成。序盤までを追加。睡眠不足のためあまり作業出来ず。
- ステージ作成。中盤を追加。
- ステージ作成。終盤とゴール演出を作った。セーブ機能も追加。
- 全体を微調整しながらタイトル画面と演出関連を制作。

今回はほとんどUnityの機能やアセットを多分に使うことにして、プログラムを書くところがほぼありませんでした。プログラムが不得手な自分にとっては、ステージ作成や画面作りなどに時間を多く割くことができたため、とても制作を進めやすかったです。
今回見た目は3Dなのですが、挙動的には2Dで事足りるので、コライダーやRigidbodyは2Dのものを使っています。パフォーマンス面でも、作成コスト面でもメリットが多かったです。
そしてこれは作りながら気づいたのですが、ColliderはPollygonCollider2DよりもEdgeCollider2Dのほうが同じように点を打っても滑らかなようです。ボールを転がしたときの引っかかり具合が全然違いました。

制作にあたって、一番大変だったことはデバッグプレイでした。当然、作り始めは自分もこのゲーム自体が下手なので、難しいのか簡単なのかがわからない状態でした。日を重ねつつ、作業時間を費やすにつれて自分の上達も感じながら作っていました。

また、すこし疑問に思ったことでも、Slackのワークスペース”Unityゲーム開発者ギルド”に呟いているとすぐにゴリラたちがかけつけてくれて解決してくれたりアドバイスをいただけます。いつもお世話になっております。

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すこしビルドトラブルに見舞われ10分ほど遅刻はしてしまいましたが、無事公開することができました。やったね!

転 - 公開後の流れ

無事公開して、評価期間が始まったのですが、全作品プレイ配信をYoutube上でやっているということもあり、たくさんの方からリアルタイムで感想をもらえました。しばらくして最初にギルド内でクリア者が出た時は、

「あ~よかった、このゲーム自分以外もクリアできるんだな」

とめっっっちゃくちゃ安心しました。ゴール近辺はすこし不親切目な作りなので、そもそもゴールに気付いてもらえるのか、そこが不安でした。
ですが、何も情報がない中でゴールできた皆さんは本当にすごいと思います。本当にプレイありがとうございます。(12/30時点でクリア者は自分含めて12名)

さらに、公開翌日にまっちフェスティバルさんからTwitterにてこんなDMをいただきました。

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えっポゴ界隈って何…!?

という率直な感想は置いておいて、いわゆる登山ゲーのガチでうまい人たちにDiscordで画面共有したりしながら遊んでもらえたようです。
そして、ポゴスタック世界大会優勝者とかいう凄まじい称号を持つmetanaaさんに自分のそこそこがんばったクリア記録を余裕で半分以上縮めたタイムで更新されてしまいました。(116.63秒)

ニフクラMobileBackendというシステムで送られてくる記録のデータが見れるのですが、さすがに最初は(あれこれバグか…?)と思いました。ゲームがバグっているのではなくmetanaaさんやポゴ界隈の皆さんのウデマエがバグってるだけでした。
まっちさん、DM頂きありがとうございました。まっちさんのnoteではポゴスタックの日々の活動が拝見できるのでよろしければご覧ください。

ただ、当然、Unityroomのコメント欄には「○○が超えられません」「難しいです」といったコメントが多く寄せられることになりました。
これに関しては正直そうなるかなとは思っていました。自分もポゴを買ってすぐのときは「なんだこのクソゲー!!カラスの木超えられるわけねーだろ!!!!」とブチギレていたので、とてもよくわかります。
難易度が高めのゲームを、こういったお祭り的なゲームジャムに出すことの場違い感は、正直否めません。僕だって全プレイ配信をしているときに「クリアに30分かかります」と書いてあるだけでちょっと身構えてしまいます。

ですので、改めてこのゲームはしっかり作り切れるところまで作り切って、アプリなどの形でちゃんとリリースしたいなと考えています。来年の早い段階で出せたらいいな。

結 - まとめ

個人的には作る前も作っているときも、そして公開した後もとても楽しめたゲームでした。まだ公開しているゲームは2本しかありませんが、とても思い入れのある作品になったと思います。
ライトマップも初めて導入して、あれやこれやと色々なライティングを試せたので、絵作りの面でもレベルアップできたと思います。

今回は年末の開催となったUnity1weekですが、ほんとうにいろいろと有意義な学びや、交流を与えてくれます。二度目の参加ではありましたが、次からも必ず参加したいと思っています!

それでは、ひまわり畑で会いましょう。

”いつでもどうぞ、私はここで待っていますから。” - Bennett Foddy

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