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作曲の勉強のために"雨とカプチーノ"をカバーしてみた備忘録

こんにちは、nattuhanです。

2週間前の3連休で作曲に挑戦したのですが、その時には多くの課題にぶつかりました。

とにかく既存の曲から学ぶことから始めようと、大好きな曲であるヨルシカの”雨とカプチーノ”のギターを練習し始め、その途中で曲全体をコピーしてみようと思い立ちました。

完成したカバー動画はこちらです!
よろしければこちらを流しながら読んでみてください。


カバー(コピー?)作業

動画として出すまでのスケジュールをざっと出すとこんな感じです。

7/17
イントロのリフを練習
7/18
打ち込みとギターの練習を開始
7/20
謎に新しいギターを買う
7/24
打ち込みとギターの録音終了
7/25
色々聴きなおしながら微調整と手探りミキシング・イラストと動画制作

リフの練習

”雨とカプチーノ”といえばイントロからAメロの合間、そしてサビ転調後にも同じフレーズで使われているギターのリフが印象的ですよね。
TAB譜付きの演奏動画を見て、BPMは100だし同じフレットばっかり弾いてるし簡単だよね… と最初は完全に舐めていましたが、全然そんなことはありませんでした。

  • ハネた連続16分

このリフはブリッジミュートの16分でひたすらハネたリズムを刻みますが、初心者に毛が生えた程度の技量しかない自分にとっては「一定の(ハネた)リズムで一定の音量でピッキングし続ける」ということがめちゃくちゃ難しい。

  • チョーキング&弦移動からのチョーキング&チョーキングからのプリング

当然チョーキングとかもろくに練習したことがありません。
しかも下手にやって指の関節が痛みそうになった予兆を感じたところで練習をやめて、チョーキングを丁寧に教えてくれている動画をいくつか探して改めて勉強しました。
かずきさんの動画は解説もとても丁寧だし動画もキレイに作られていましたので、基礎練習の動画を一通り見ました。ついでになんかオススメアイテムの動画とか見ました。さらにギター工場見学の動画とか見ながらそのまま寝ました。
あれ… チョーキングの練習は?

さらに、おそらく原曲ではチョーキングした後にそのままプリングをすることで、「テレ↑エ↓レル〜」と滑らかなフレーズになっているのですが、
ど~~~してもきれいな音が安定して出せず、録音するときはあきらめてピッキングしました。
このリフは引き続き練習したいです。

打ち込みとギターの録音

ドラムの打ち込みは耳コピで行いましたが、これはとても楽しい作業でした。一応自分はドラマーなのですが(おそらく)、打ち込んでみるなかでドラムのフレージングによって曲の盛り上がりにドラムの貢献度が大きいことを思い知り、自分はドラムなんて全然注意して聴いてなかったんだなと思い知りました。

ベースは耳コピできる自信がなかったので、弾いてみた動画を参考にTABで打ち込み、ピアノはコード進行から自分の耳を信じて適当につけました。
でもサビの間とか、ピアノが鳴っているかどうかすらもわかりません。ので、打ち込みでもひっそりと鳴らしています。

ギターは弾いてみた動画を参考に練習し、だいたい4小節ずつ、難しいところはさらに分割して録音して弾きました。これだけ分割しても何十テイクとしているわけです。通しで一曲弾ける気がしません。

さらに、分割録音のほかにも、ギターに関してチートを2つ使いました。

  • LogicのFlexであとからタイミングを合わせる

録音して聴きなおすと、拍取れてなさ過ぎてビビります。LogicProXのFlexという、録音した後からタイミングを合わせられる機能で帳尻合わせまくりました。

  • 70~80BPMで弾く

これも機能的にはFlexの恩恵ではあるのですが、手が追い付かなさすぎるフレーズは遅い状態で録音しました。さすがに半分(50BPM)の速度だとサステインやアタックの音に違和感があるなと思いましたが、3/4程度だったらそんなに違和感を感じませんでした。聞く人が聞いたらわかるもんでしょうか。

途中で謎にギターを買う

数年前にふと思い立って中古楽器店で5万ほどでBacchusのテレキャスターを購入していたのですが、そのギターに対しては不満がありました。
端的に言えばあまり愛せる気がしていませんでした。

というわけで、イシバシ楽器新宿店でFenderのPlayer II Telecasterを購入しました。ほんまにかわいい子。お店では5本くらい試奏させてもらったのですが、みんな平均どのくらい試奏するもんなんでしょう。
クソヘタなので絶対自分より上手い人たちがギターを見て選んでる中で「こんな音を垂れ流してすみません…」という気持ちでしたが、ただ、↑のギターを手に取ってアンプから音を出してみた時の「あっこれこそがテレキャスターの音だ…」と納得感がすごかったです。

同じシリーズ・同色のストラトと迷いましたが、やはり形の見た目と、店員さんに「どっちがどうとかあります?」と取り止めもない質問に対しての「まあ自分はテレキャスが好きですけどね、できることが制限されるので」という言葉に「カッコイイ…」と思ってテレキャスを選びました。これで僕にも赤い季節が到来を告げたわけです。

というわけで、途中で使っているギターが変わっているので場所によって音が変わっています。録り直そうかと思いましたがめんどくさかったのであえて残しました。新しいギターでギター練習のモチベもあがった状態で、打ち込みとギターの録音を終えます。

手探りミキシング

さて、一通りできたので全体を書き出して、普段使いのイヤホンで聴き直してみることにします。するとなんかめちゃくちゃに音がくぐもっていました
怒涛の情報量や圧のあるサウンドのことを「音の洪水」とか呼んだりしますが、自分の書きだした.m4aは「音の床上浸水」でした。もうビッチョビチョのモッワモワで聴くに堪えません。
原曲を聞いてみると、音圧もあるなかで各パートがスッキリ全部聞こえてきて、その中央にしっかりとボーカルが佇んでいるといった印象を受けます。

マスタリングってやつはLogicくんが自動的にやってくれますが(詳しく知らないですがいい感じに音圧を上げることだと思っています)、いわゆるミキシングってやつもある程度勉強しないとダメなんだなということにここで気づきます。

いくつか動画を見ましたが、自分が最も効果を手っ取り早く感じられたのはこちらの動画によるEQでローをカットしまくるという手法でした。

ピアノとかは200Hz以下を切ると、単体で聴くとかなり安っぽい音になり不安になったのですが、動画内でも「これでいいんです」と言い切っていましたし、実際普段使いのイヤホンで聴きなおしてみてもかなりすっきりとした印象を受けました。

あとはピアノにコーラスエフェクトをかけ音をサイドに振ってみたり、ボーカルにコンプやディエッサーをかけ、耳に刺さったり悪目立ちしていた部分を削って整えてみたりしました。多少足掻いてみたことである程度聞きやすくなったはずです。

イラスト作成・動画作成

イラストは"雨とカプチーノ"のPVのフラット+ゆったりとした陰影の塗りを意識して描きました。描いたことのない感じのスタイルだったので、描いててとても楽しかったです。
PVのサビではラテアートがぐるぐる混ざっていくような表現があるのですが、自分が使用しているソフトProcreateでそういう機能ないかな〜と思って探してみたらありました。(ゆがみツール)
とはいえ、歪ませすぎてもうるさい感じがしたので、こちらの機能の調整の塩梅は難しかったです。

"雨とカプチーノ"のPVはHurray!が作っており、実は5年前のCGWORLDで"だから僕は音楽をやめた"とセットでメイキングについて特集された号があったのですが(この2曲のPVにはBlenderが用いられているのです。しかもHurray!がBlenderに触るのはこの楽曲が最初だったとかそんなことが書かれてたような。Blenderスゴイ!大好き!)、それきっかけでこの曲を初めて聴いてなんともいえないノリと雰囲気を合わせ持つ好きになったと記憶しています。

Hurray!といえば"数分間のエールを"はみなさんご覧になったでしょうか。僕は見ましたが、Hurray!の映像を60分強浴びれるというだけで見に行く価値があると僕は思います。

動画はいつも通りPremiereProです。Premiereで雨とカプチーノみたいに歪みエフェクトあるかな〜と思ってみたら意外にもありました。なんか探してみたらこういうのって意外とあるんですね。
冒頭のタイトル表示部分にだけこちらを適用してみました。

これにて動画を投稿して終わりです!

ふりかえり

今回も色々とふりかえっていきます。

カバーでむっちゃ大変だったのに、これを0から作るってなに?

単純に4:30秒ほどの曲をカバーするために、打ち込みや録音する量が多くて大変だった、というのももちろんあるのですが、自分は原曲という正解を知っている状態でそれを半端な精度でコピーしているだけで、クリエイティブな意味での試行錯誤は特段していません。

これを0ベースで作り上げるってどういうことなんだろう、このオシャレなリフってどういう経緯で作れるようになるんだろう、ラスサビのここのメロディは全音で伸ばしてリバーブかけようとか、自然と発想できるようになっていくものなんだろうか…?など、色々と疑問がたえません。
n-bunaさんのインタビューとか漁ってみようかな。

SynthesizerVの学び

以下のようなnoteも拝見しつつ、エディタ上でのテクニックもある程度チュートリアル動画を漁って試すことができました。

  • トーンシフトで裏声っぽい感じを出す

  • ノート内の音節ごとに音量や長さを変えて、子音を弱めたり譜割りをずらしたりできる

  • ブレスや「っ(促音)」を入れる方法

てか改めてなんですけど、これパッと聴いて合成音声ってわからなくないですか。もちろん独特の癖みたいなのはありますが… 
Synthesizer V 夢ノ結唱 ROSE、ほんとすごいです!

ハンマリングとプリング、全然音が出ん

まあ初めてちゃんと練習したわけなのでそりゃ音が出ないわけですが、
改めてギターの難しさを思い知りました。この楽器むずすぎる。

かずきさんの動画で練習するぞ!

ヨルシカがめちゃくちゃ好きになった

なにを今更…感はありますが、あまりヨルシカをちゃんと聴いたことがありませんでした。雨とカプチーノは好きでたまに聴いていましたが、他の曲も改めて色々聴いているとあらためて楽曲の完成度の高さにどんどんと引き込まれていきました。特にギターがかっこいい曲が本当に多い!
現時点でのお気に入りは又三郎です。

著名な文学作品のセンテンスをベースに作られた楽曲でいえば、昔よく聴いていた古川本舗が歌っていた、レモン哀歌のことも思い出しました。(↓はその曲をカバーした動画です。公式の音源がYoutubeにありませんでした)

なんか昔好きで聴いてたボカロとかって今聴き直してもやっぱり全然好きだなと思う曲が多いですね。(古川本舗だと"夜と虹色"が世界で一番好きなんですけど、なんかこうサブスクで配信とかないんですかね、ほんとに好きなんですが)

まとめ

かなり長い時間DAWとギターとMIDI鍵に向き合ったので、経験値という点ではかなり大きい収穫があったと思います。
原曲はあらためて何度聴いても本当にいい曲でした。Bメロ最後の「ほんとにわかんないんだよ」のsuisさんが歌うニュアンスとかは、自分が使いこなせるレベルの合成音声ソフトじゃ到底真似できない表現力です。

余談 : 2本目のギターを買って思ったこと

ついでなので、2本目のギターを持って気づいたことが色々あるのでこちらに書いておきます。

そもそもBacchusにどういう不満点があったのか

そもそもなんで持ってたギターに不満点があったのかというところを先ず述べておきます。

この記事を書くにあたって、ちゃんと調べ直してみたんですがたぶんTACTICS PLDというギター。

写真で見ると
  • フロントピックアップがくぐもりすぎてる気がする

こちらのテレキャスターはフロントがP90、リアがシングルというピックアップになっているっぽいのですが、フロントがよく言えば優しい音、悪く言えばくぐもったサウンドですごく使い道に困っていました。P90ってそういうピックアップっていう認識であってます?モノによる?
もともとtoconomaのreliveというカッティングのかっこいい曲に憧れて買ったので、高音が出やすいリアでもっぱらやっていたのですがこちらもなんとな〜くイメージと違う音だなあと思っていました。
動画の中のテレキャスはフロントでもっとチャキチャキいってるのです。(↓自分がイメージしてる感じの音)

とはいえ、こちらの動画で店員さんが語っているようなギターに合わせた音作りとかも全然わかっていないので、ここらへんは自分の経験不足とも言えます。

  • 色が気に入ってなかった

どちらかと言えばこちらの方が大きい理由ですね。暗めのオリーブグリーンのカラーだったのですが、色がまったく気に入っていませんでした。
じゃあなんで買ったんだっていう話ではあるんですが、これを買った時は、どうしてもその時ギターを買うぞ!という心づもりだったんです。
あと楽器店だと比較的いい色に見えたのかもしれない。お店で買ったらすごくよく見えたけど部屋に置いたらそうでもなかったみたいなのってありますよね。そういうことにさせてください。

やっぱり試奏でFenderのテレキャスが好きだなと思った

ギターの構造についてはぜ〜んぜん詳しくないので、「なんでテレキャスがああいう感じの音なのか」とかは知らないのですが、店でFenderの10万くらいするストラト・ジャズマス・テレキャスと試奏させてもらうと… やっぱりテレキャスのミックスポジションからしか得られない栄養があるのでは?と感じました。

独特の元気いっぱいで前のめりなジャキジャキ感があると感じます。あとはやっぱり見た目ですよね。独特な箱感と丸っこさ、スベッスベのネック、フロントピックアップの金属カバーや、ブリッジマウントなどの金属パーツも鏡のように綺麗です。

このJulian Lageというギタリストは著名なジャズギタリストだそうで、思い出とともにFenderのテレキャスについて語っています。すごい人が同じ楽器を褒めてるとなんか嬉しくなりますね。しかし音もフレーズも美しすぎる。てかテレキャスってジャズもいけるんだ。本当にこれ同じ楽器か?

比較した上でのFenderテレキャスの困ったこと

しばらく弾いてみて困ったことがいくつかあったので書いておきます。

  • ピックガードに指を置くと静電気が弾けたようなプチプチノイズが走る

最初、これは本当に困りました。耳障りなプチッというノイズがピックガードに触れるたびに聞こえるのでかなり不愉快でした。試奏の時は全然気にならなかったのですが… あんまり意識してなかっただけかもしれません。

こちらのツイートとまったく同じ感じのノイズです。たしかにピックガードに手を近づけると静電気感を感じます。

アルミテープで対策するという方法が一般的らしいので、ものは試しということでとりあえずDAISOでアルミテープを買ってきて、ピックガードの裏に貼り付けてみました。これでなんでノイズが消えるかとかそういう原理すら置き去りにしています。

これでええんか?と恐る恐る貼ったDAISOのアルミテープ

まあうまくいかなくても、最悪ピックガードだしな…の気持ちで試しましたが、これを戻してみるとなんとノイズが… 消えてませんでした!!!!!!
取り付けた直後は消えてたような気がするんですが、しばらく経つと変わらずプチプチなっています。
本当に落胆です。「マジかよ…」と絶望してそのままふて寝しました。
で起きてから、またしばらく弾いてるとふと気づきました。「あれ…ノイズ消えてね?」

このノイズが発生する理由と、そしてなぜかピックガードを戻した直後は消えなかったのにしばらくしたら消えた理由、有識者のかたがいらっしゃいましたらぜひ教えてください。

いま思えば絶対楽器屋とかに持って行った方がいいですね。それはそう。

  • 座り弾きするとボディが肋骨/脇腹に刺さる

テレキャスターとかいう無骨な箱型形状のせいで、適当な姿勢で座り弾きしていると右の肋骨下あたりがじんわり痛くなってきます。あれ、Bacchusはどうだったっけ?と思ってみてみると、本来刺さるはずの部分がストラトみたいに削られていました。地味にニクいつくりをしています。
ただ、ちゃんとフォームを見直して、足置きを使ったりストラップをつけることでこちらはだいぶマシになりました。ストラップはCOMFORT STRAPP / Pro Bass Short 84-94cmというやつで、しっかり支えてくれつつも肩に負担がなく、立って弾いた時に非常に気分がよくなるストラップです。

  • 付属のソフトケースの質が低すぎる

ソフトケースが付属でついてきたのですがこちらがあまりにもお粗末です。Bacchusを中古で買った時についてきたソフトケースと比較しても、というかBacchusのソフトケースがある程度よいと言えるのかもしれませんが、

  • 斜めがけしかできない、しかも安定しない

  • ショルダーストラップが細い、留め具が肩に当たって痛い

  • ファスナーが安っぽすぎて開け閉めがスムースにできない

  • なんかポケット部分に穴空いてる(これ仕様?)

まあ、その分安いなら全然いいですし、自前でちゃんとしたやつ買えよってことなのかもですね。ただいったんBacchusの方使いますわ。

でもやっぱり好き、どんどん弾いていくぞ!

デスクの隣に置いていますが、やっぱりちらっと目に入った時や、ちょっとネックやボディを触るだけでもとてもテンションがあがります。
このギターと一緒に、ギターも作曲も… ついでにドラムも上達していきたいですね!

楽しむぞ〜🎸

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