えっ……私の育ち、悪すぎ?
箸の持ち方について
父と弟がサウスポーで、自分もサウスポーだったため、結構最近まで「左利きは遺伝する」と信じて疑わなかったのですがそうでもないみたいですね。弟はサウスポーのまま修正されることもなく、左手で上手に字を書き、絵を描き、お箸を持ち、パソコンのマウスだけは左で操ってキーボードは右で打つという、手をクロスさせる形での操作を行っていましたがこれを本人は「オナニーのための布陣www」と言っていました。ところで私は長子だったため気合を入れられたのか、お箸も筆も右に修正された結果見事に変な持ち方になり、しかも右と左の区別が常人より数秒遅い「左右盲」になり大失敗でした。
好きな女性のタイプを訊かれた時に「お箸の持ち方が綺麗な子」を如何にもセンスある感じで挙げる男いるじゃないですか。バックボーンに敷かれた家庭環境とかにも思いを馳せているわけでしょ?うるせぇよと思いますね。男性に限らず他人って結構人の食べ方見てますよね。そっちの方がイヤラシイというか品性キツいなぁと思います。目の前の飯を見ろよ。喋る時だけ相手の顔を見ればいいだろ。他人の所作をキョロキョロ気にしながら飯を食うのもマナーとしては全然なしだと思います。そんなお前のところに寄ってくるのはお育ちの良いお嬢様どころか精々良くてガールズバー勤務を偽りガッツリいちゃキャバで働いているメンヘラ程度だろうが。
とはいえ「お箸を綺麗に持つ」……これは世間体に置いて大正義でありこれを否定する人などこの世に存在しません。存在するとしたら私をはじめとしたクソテク勢が妬み嫉みで茶々を入れるくらいですが基本的には「車で人を轢かない」クラスの超大正義で、なんなら握り箸の美人より綺麗に持つ小ブスの方がこう、大和撫子的な?内面美人的な?扱いで神輿に乗せられてくる時あります。内面美人って何?
そもそもお箸の持ち方というマナーは人間が人間らしく飯を食えるような状態になる過程で親が躾けるものであって、ほぼ赤ちゃんの状態、つまりまだあんま人になってない時期に学習的に刷り込むものなので、箸の持ち方美しい奴即ち神なり、人間性サイコーみたいな概念は「クソ箸勢」としては非常にイラっときます。
箸の躾なんてものは自我が芽生えるずっと前に刷り込まれた、いわば出生ガチャの延長戦みたいなものではないでしょうか。人間性なんてものはその後それぞれが自分なりの少年期、思春期を過ごして形成されるわけですから飯の食い方くらいでガタガタ言われたらたまったものではありません。
ともかく箸の持ち方が汚い奴は顔面が菜々緒レベルでも石抱きの上鞭打ちの刑なので、私はなんかはもう凌遅刑(ググッてください)です。更に私はBBAなので「クソ箸勢」をはじめとした不器用系人間最後の必殺技「ちょっと抜けててそこがカワイイ」も使用できない状態であり……よし。今後一切他人様の前でパスタとステーキ以外の飯を食うまい。
と決心出来れば良いのですが、私はこんな奴のくせに何故か、マジで何故か人類のマジョリティイベントNo.1「結婚」という物をしており「夫」という存在が一応いるのです。私もBBA・関西風に述べるとOBHNであるため別に今更「綺麗な箸遣いで彼ぴっぴにおフェロアピール」とは思わないのですが、「結婚」というシステムを続行する以上いくつかの試練が与えられていて、そのうちのひとつは先方の親族と定期的に藍屋で飯を食う事です。
同じ価格帯・敷居のレベル・国道沿いでのカンスト率であればレッドロブスターに連れて行ってもらいたい所ですが生憎義理の両親はそこまでアメリカンではありません。従って、藍屋で箸を使う必要が発生します。
ただでさえ性格のヤバイ猫連れでの結婚、家事の放棄、毎晩睡眠薬でパキる等、夫には相当エグい引きをさせています。箸程度のことで更なる恥をかかせるわけにはいかない。私は推しのインスタストーリーで少し喘ぎ声に聞こえるシーンを探す事と夕御飯にしか生活の楽しみが見出せないつまらない奴なので日常!ウキウキイベントベスト2!第2位!(推しがクソダサいプロデュースブランドの宣伝とかしか載せなかった日やお寿司の時は1位になることもある)夕御飯の時間!に今更トレーニングみたいな事するのは割ときついのですが、トレーニングどころか生活の様々な必須事項をバックれて生きてきたのでさんじゅうだいからのおはしとれーにんぐ、やってみる価値アリかもしれない。それに、夫の親族とは実はもう何度も藍屋に行っていて、夫の親族というよりはアフレ(藍屋フレンド)であるためクソ箸ぶりはバレているとしても、以前YouTubeに載せた「小便で出汁巻き卵を作って食う」という動画のコメントで箸使いを指摘されたのは堪えました。
小便で卵を溶いて焼いて食ったにも関わらず、箸の持ち方が注視されるというのは、箸遣いがそんなにも世間体のウエイトを占めている事実と、私が自分で思っている以上のクソ箸遣いだった証拠に他なりません。
こんなクソみたいな箸遣いをBBAになっても続けていたら今後どこかのメシ屋でマナー講師的な人や「好きなタイプ:お箸の使い方が綺麗なコ😌❤️」みたいなオスガキなど綺麗箸持使用絶対主義者と行き合った時に熱々の茶碗蒸しをブチ撒けられたりアイスのスプーンで目玉をほじくり返される可能性があります。そういった場合に、今の箸遣いで的確に相手の耳を狙いに行きアウトレイジの中華屋のシーンみたいな仕返しをかます自信がないので、この歳になって箸部に入部する事になりました。先輩(推定平均3〜5歳)方、チーッス。
ちなみに先日夫に教わりながら少し練習してみたところ、右手では全くコツが掴めず左手に持ち替えたら滅多に褒めない夫が「あれっ?できてる!うまいうまい!」と褒めてくれましたが、先述の通り私は利き手の修正を受けていたので今更左で持つのもまあまあやりづらいのでした。でも30年近く経ってもソッチで成功を収めているということは、やはり私はゴリゴリの左翼、真っ赤なサウスポーだったのです。完全な昭和の感覚で修正とかした母親、ババァてめぇだったわけです。ババァがババァにキレる地獄絵図。
ところが実は夫もサウスポーでして、左手での持ち方しか教えてくれないわけで、もう意味がわかんねぇ。リスカしよ。(左手で)
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