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大分大学医学部編入受験日記♯3 三次試験編(得点開示あり)

こんにちは、まっきです!

今回は令和6年度(2023年実施)大分大学医学部編入試験の第三次選抜を受験した際のことを書いていきます。受験から半年近く経った今、多少は冷静になった(?)頭で振り返って思うことをお伝えできればと思います。

以前の記事と同様、得点開示結果も無料で公開しております。よろしくお願いします。


二次試験の発表を受けて

二次試験を終えて、個人的な感触は正直五分五分以下といったところでした。やはり空白のまま提出してしまった有機化学の解答欄がどうしても気がかりで、時折思い出して落胆しそうになりながらも、受験校は他にも控えていたため気持ちを切り替えねば…と葛藤する日々でした。

だからこそ、二次試験の合格発表で自分の番号を見つけた瞬間は本当に嬉しかったです。同時に、ここまで来たらもう合格するしかないという強い意思が胸にふつふつ芽生えてきたのを今でも鮮明に覚えています。

三次試験の概要

※正確な情報は必ず最新版の募集要項をご確認ください。
三次試験(2023年実施)では、「個人面接」「発表及びグループディスカッション」が行われます。配点は各150点満点、合計300点満点です。これにより、二次試験合格者30名から最終合格者10名が決定します。

なお、募集要項によると、同点者がいる場合には、「第2次選抜の高得点者、第2次選抜「生命科学に関する総合問題」の高得点者、第1次選抜の高得点者を高順位とします。」とあります。

三次本番までにしたこと

三次試験の概要を確認したところで、次は本番に向けて行なったグループディスカッション(以下、GD )対策個人面接対策について書き出していきたいと思います。

GD対策

私には、一般的な(就活で行われるような)GDの経験はありませんでしたが、大学時代に所属していたゼミでディベート(あるテーマについて異なる立場に分かれて議論するもの)の経験がありました。そのため、人と議論するというところに抵抗感はありませんでした。
とはいえ、ディベートとGDでは議論の形式が異なります。また、当時の私はほとんど家族としか会話をしない生活をしていたため、そもそものコミュニケーション能力を回復させる必要がありました。

やはり、GD対策で重要なことは何より「場数を踏んで慣れること」だと思います。本番までの短期間の間に、質の高い練習をできるだけ多く重ねる必要があると考えた私は、まずKALSのGD対策講座を申し込むことにしました。
有料講座ですので内容の詳細は伏せますが、自分にとってはとても有意義でした。何より、同じ合格というゴールに向けて頑張っている仲間とここで初めて知り合えたことが大きかったです。

なお、こちらの講座で初めてGDに参加した際の私の出来はかなりひどいものでした。対面でないにも関わらず緊張して発表はボロボロ(頭が真っ白になって自分が何を言っているのか理解できない状態)、ディスカッションに関してはよく分からないうちに終わってしまいました。
他の参加者の方が全員プロのように見えてしまい、一瞬挫折しかけました。しかし、何度か練習を重ねていくうちに、いつの間にか身体が慣れていきました。やっぱり、GD対策で大切なのは慣れること、落ち込む前に練習あるのみ!ということかもしれません。

講座を通して知り合うことができた方々と、本番までに4回ほどGDの練習をしました。基本的には、過去に出題されたテーマや、出題される可能性のある今HOTな医療課題をお題にして本番と同じ形式で議論し、その後仲間内でフィードバックする、という流れで行いました。
受験本番まで残された日数は少なく、プレッシャーも高まっていた時期ではありましたが、出会った方々に恵まれたこともあり楽しくGD対策を進めることができました。本当に感謝しています。

練習に加えて、YouTubeに転がっている就活用のGD対策動画も何本か観ました。動画を見ると大体の流れが分かるので、私のようにGDの経験がない方には特におすすめです。

さらに、大分大学では、GDの前に個人発表の課題があります。GDと同じテーマについて、受験生個人の解決策や意見等を10分程度でプレゼンするというものです(これらの内容を踏まえた上で議論に入る流れになります)。
発表準備として事前に50分が与えられますが、当然調べ物は禁止されているため、ある程度の前提知識がなければ時間内に発表内容をまとめ上げるのは困難だったと感じています。

ここからは私を反面教師としていただきたいのですが、日頃から医療関連のニュースに目を通す習慣が無かった自分は、二次の発表後に慌てて上記の「前提知識」を身につけるべく情報をかき集めることになりました。
具体的には、一般生向けの小論文対策用の本を読み漁ったり、日経メディカルに登録してめぼしい記事に目を通したりなどしました。

↓数冊読んだ本の中で一番お気に入りだったもの。新型コロナウイルス感染症やAIに至るまで最近の医学関連の重要トピックが平易な文章で解説されています。

以上に述べた対策は、最終試験の直前に慌ててするものではなかったと反省しています。日頃から意識的に医系トピックに触れることは、小論文や面接など他大学での試験にも直結しますし、志望理由のブラッシュアップにも繋がることと思います。どうか、私の反省点をご参考になさってください。

個人面接対策

面接で重要なことは、大学側に既に提出した志望理由と照らし合わせていかに一貫性のある/矛盾のない回答ができるか、というところにあると考えます。面接は、自分の志望理由にブレがないことを面接官の先生に直接示せる最初で最後の機会であるためです。
一次に課題小論文を課す大分大学においては尚更、その点を意識する必要があると思います(そもそも面接まで進んだ受験生の志望理由は一度審査を通過したものですから、その内容自体にはある程度自信を持って大丈夫……だと自分に言い聞かせていました)。

そこで、まずは自分の書いた課題小論文を読み直すところから始めました。
基本的には小論文のテーマに沿った形で、
・自分の経歴や経験
・それらを将来どのように活かすか
・どのような医療人を目指すか

という3点を改めて明確化し説明できるようにしました。

上記に並行して、①大分大学の特色や、②大分県の地域医療関連の課題等についてとにかく調べました。
具体的な内容としては、
①アドミッションポリシーや求める医師像(募集要項に記載があります)、大学内の医療施設や制度のあらまし、希望診療科の講座で行われている研究の内容など
②地域医療構想、医療計画など
です。
私の場合は、小論文の中で「なぜ大分を選んだか」という点に触れていなかったため、面接で質問される可能性が高いと考え、念入りに対策することとしました。

そして、課題小論文や調べ物の内容を元にして、想定される質問(一般的に聞かれるものや、過去の質問例など)に対する答えを考えていきました。答えといってもきちんと文章化したものではなく、「これだけは言いたい!」というワードを箇条書きにする、といった感じです。

想定外の質問が来ることも結構ある、という話を耳にして恐怖を覚えたりもしましたが、最終的にはあくまで人との対話を楽しもうというおおらかな気持ちで試験に臨むこととしました。

2度目の大分へ

三次試験の対策に追われているうちに、あっという間に本番が来てしまいました。

本番の1週間ほど前から極度の緊張で食べ物も喉を通らず、心拍数の高まった状態が続いていました。
GDで全然知らないテーマが出たらどうしよう、発表のときに頭が真っ白になったらどうしよう、面接で思いもよらないことを詰められたらどうしよう……あらゆる不安が脳を埋め尽くしていました。
もしも受験直前にこちらの記事を読んでいる方がいたとしたら……大丈夫です、きっと受験生みんなが同じ心境です。深呼吸して、ゆっくりお風呂に浸かって、甘いものでも食べて可能な限り眠りましょう。

筆記試験のときと同様前日入りをし、駅のスタバにて面接の問答集を見返しました。
ところがリラックスタイムも束の間。酷い雷雨に見舞われ(降り出す前に現地に到着できたのは良かったです)、耳をつんざくような雷鳴があちらこちらで轟き、心穏やかに過ごすことはできませんでした。人生史上最も至近距離に雷が落ちた気がします…。

その日の夜は、KALSのGD対策講座で繋がることのできた受験生と初めて対面で会い、面接でどんなことを話そうか、GDのテーマはどんなものになりそうか…などなど語り合いました。それまでは緊張と不安で押しつぶされそうになっていた私ですが、同じ境遇の受験生と話すことで心がほっと落ち着きました。

受験当日

三次試験は受験番号の前半/後半により、午前組/午後組に分かれます。私は後者でしたので、朝の時間に少し余裕がありました。とはいえ、精神的にのんびりはできず、せかせかとスーツを着たり寝癖を整えたりしているうちに出発時間になってしまいました。

当日の詳細な流れについては、こちらの「くま太郎」さんの体験記をご参照ください。令和4年度の試験に関する記事ですが、私の受験した令和6年度三次試験の実施方法とほとんど相違ありません。私には真似できないぐらいに情報量も豊富ですので、大分大学の受験を考えられている方は是非ご一読ください。

以下では、令和6年度試験の内容について、所感を交えながら書いていきます。

発表及びグループディスカッション

集合場所の教室にて、まずは当日の流れについて説明がありました。
発表用用紙などが挟まったバインダーが配布され、その後すぐに発表資料作成の流れとなります。

GDのテーマは午前組と午後組とで異なります。私のいた午後組のテーマは、
“医師の働き方改革において医療機関の管理者に義務付けられる「長時間労働を行う医師に対する面接指導」について、「いつ」「誰が(医師免許を有していることを前提に)」「どのような場所で」行うべきか、論ぜよ”
というものでした。

資料作成時間は50分で、A4の白紙3枚まで使用可能です(油性マジックを使うため、普通に裏移りします。用紙は片面のみの使用が想定されているのだと思います)。

医師の働き方改革については事前に情報を収集していたものの、「面接指導」というワードが初耳で、テーマを見た瞬間血の気が引きました。与えられた参考資料を読んでも「面接指導」の具体的内容に関しては記載がなく、もしも自分の想定する定義と別物の話だったらどうしよう…という不安に駆られましたが、何せ時間がないので己の信じるところを突き進むことにしました。

発表用資料ですが、私は3ページ全て使用しました。プロジェクターで投影するものなので、できるだけ文字は大きく、簡潔に書くよう心がけました。

「人は情報の80%を視覚から得ている」

このような言葉を耳にしたことはありませんか?
真偽はともかく視覚情報の重要性は経験上理解していたため、私はこれをモットーに資料を作成しました。
キーワードの列挙のみでは分かりづらくなってしまうので、自分の見解のコアとなる部分を短文で明確に示す、というイメージです。

なお、原稿ですが、下書き用の紙に書くことは可能です。しかし、時間がかなり限られているので、一言一句書き出すのは難しいと思われます。
私は、原稿というより、これだけは言いたいなというワードを簡単に書き留めておきました。

時間になったら5人ずつ(試験番号順。欠席者がいる場合には5人に満たない部屋も有り)列になって、ディスカッション用の部屋へ案内されます。先頭の受験生がノックをして扉を開け、後に続いて入室します。

最初に個人発表を各10分ずつ行います。プロジェクターの機械に発表用紙を各自でセットして、先生の合図で発表を始めます。
発表中は下書き用紙や腕時計を確認することができます。私のグループでは時間を超過した受験生はおりませんでしたが、聞いた話によると、10分を超えた場合には先生の合図で発表が強制終了となるようです。
ちなみに、他の方の発表中は下書きの紙にメモを取れます。ディスカッションは個人の発表内容を前提として行われますので、それぞれの発表者の方のお名前や内容の大筋は書き留めておくことをおすすめいたします。

さて、出番が回ってきた時、私の緊張のボルテージは最高潮に達していました。
あまりの緊張により、腕時計を上下逆向きで置いてしまい時間を読むのに苦戦したり、滑舌はカミカミで何度も言い直しをしたり、発表用紙をうっかり足元にばら撒いてあたふたしてしまったり。。。
今思い出すだけでもあの時のヒヤヒヤした感情が蘇ってきます。

発表時間はおそらく7分弱ほどだったと思います。大きな声でできるだけゆっくりはっきり喋ること(カミカミでしたが…)、目の前で聞いてくださっている方々の目をなるべく見て話すこと、それだけは何とか守れたと思います。

発表が終わった時は正直やらかした…と頭を抱えそうになりました。
しかし、悔やんでいても時間を戻すことはできないので、すぐに気持ちを切り替えてGDでの挽回を目指そうと決めました。筆記に引き続き、今回の試験では切り替えの速さが自分にとっての鍵だったのかもしれません。

全員の発表が終わると、すぐに議論へ移ります。先生からの指示は「始めてください」との合図のみで、あとは自分たちで自由にディスカッションをするのみとなります。
私のグループでは、「役割決め→時間配分決め→論点決め→議論→最後に書記の方がまとめを発表」という、オーソドックスな流れで議論を進めました。客観的な分析はできませんが、個人的には非常に楽しくディスカッションに参加できたと感じています。意識したことですが、

・人の話を実際にきちんと聞くことは勿論、聞く「姿勢」を明確に見せること。話者の目を見て相槌を打ったり、時折質問したりなど。
・不明点や聞き逃したことは恐れずに質問する。これによって、新たな論点が展開されることもある。
・それぞれの見解の共通点・対立点を探り、全員に共有すること。これらが明確になると議論の方向性もはっきりしてくる。

などです。

時間の管理は主に自分たちで行いますので、議論が終わり次第、先生方に「終わりました」などと合図をして終了となりました。

面接がまだ控えているにも関わらず、解放感で頭の中がふわふわしてしまい、腕時計を忘れて教室を出ようとしてしまったというエピソードがあります…(忘れ物には気をつけましょう…(自戒))。


個人面接

GD終了後、再び最初に集合した部屋へ戻ります。そのまま、各自面接の番が来るまで待機することとなります。待機中は出番の合図以外に案内はありませんでしたが、係の方に直接確認したところ、持参した資料等を参照することは可能とのことでした(念の為聞いた方が良いかもしれません、万が一があったら怖いので…)。
私は問答集の最終確認をしながら、ドキドキ自分の番を待っていました。

面接室の前に到着すると、指示を待ってからノックして入室という形になります。私の部屋では入室前から先生方の和やかな笑い声が聞こえたため、少しリラックスした気持ちで面接に臨むことができました。

面接は15分間1対3で行われます。
初めての面接で不安はありましたが、アイスブレイクから始まりとても穏やかに進行してくださいました。私の目を見て、大きく頷きながら話を聞いてくださった姿が印象的でした。
詳細は内緒にさせていただきますが、私はこの面接がきっかけで大分大学への進学を決めました。それぐらい、自分にとっては意義のある、今でも大切な経験となりました。

面接で質問された事項について、記憶の限り、以下に列挙します(思い出し次第追記します)。

・医学部を目指すことになった経緯を教えてください(私の場合、文系学部からの転向ということもあり、この点は先生方も興味を抱いていらっしゃる様子でした)。
・法学部(私の出身学部です)を受験した理由はなんですか。
・大分に来るのは初めてですか。大分の印象は。
・大分大学を受験したのはなぜですか。
・希望する診療科はどこですか。
・医師として、どのような課題に取り組みたいと考えていますか。
・基礎研究に興味はありますか。
・大分大学以外の大学を受験する予定はありますか。他大学に合格した場合、どうしますか。

面接の際に意識したことは、

・GDや個人発表とも被りますが、相手の目をしっかり見て話す/聞く。
・マスクの下でも笑顔で!緊張するし不安だが、あくまで会話を楽しもうという心意気で取り組む。
・面接時のマナーについては必ず事前に確認しておく(視覚情報の重要性!)。

得点開示結果

得点開示結果は以下のとおりです。

発表及びグループディスカッション:130/150点
個人面接:150/150点
第3次選抜順位:1位

終わりに

開示の結果を見た時は、嬉しいという気持ちも勿論ありましたが、身に余るほどの評価を前に、より一層気が引き締まる思いがしました。
課題小論文や面接で表明した自分の意志、初心に違うことなく、4月からの医学生生活に臨みたいと思います。

この度、3回に渡って令和6年度大分大学編入試験について振り返ってきましたが、受験から半年以上過ぎたとはいえ、受験に付随するあらゆる経験や出会った方々、その場その場で抱いた感情は鮮明に思い出されます。

最後に、今回の試験は自分の実力だけでは乗り越えられなかったものであり、周りの方々からの支えや応援があってこその結果であったと、改めて思います。感謝申し上げます。

ここで一旦筆を置こうとは思いますが、また気が向いたときにnoteは更新していこうと考えております。
拙い文章ではございましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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