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無表情の命と向き合う

私は小さい頃ぬいぐるみを多く所持しており、それらを愛でている。兄弟がいない私にとっての最高の遊び相手であり、相談相手であり、友達だ。
もちろん彼ら自身は自我のないただの綿が詰まった布切れで、彼らの性格や言葉は全て私の脳内で都合のいいように生成されるから、友達でいられる。
それはわかっていたけど、ぬいぐるみと自分はやはり切り離して考えていた。

しかし、ある日私の中での「友達意識」が消えかけた。
色々と忙しいことが重なり、あまりぬいぐるみたちと話すことがなくなってしまったのだ。
そんな日が増え、次第に彼らを「ただのぬいぐるみ」としか思えなくなってきた気がした。この現実に私は危機感を覚えた。ずっと仲良くしてきた友達を裏切るようなことは絶対したくなかった。
だから、彼らと向き合う時間を増やした。勉強の時は彼らを連れてきて塾のようにしたし、休憩時間や寝る前にはたくさん話しかけた。
そのようなことをしていると、次第に童心、いつもの感覚を取り戻してきた。私にとって、現実ばかり見て忙しくしているよりかは、童心を忘れず、たまに想像力を働かせる方が生きていて楽しい。

ここからはかなり非現実的な話をするが、私は職場や学校のデスクやロッカーなどに自分の好きなぬいぐるみ、アクスタなどを少量でも置いて、その環境で仕事や勉強をするのもありではないか?と考えている。よく「気が散るからダメだ」という意見が出るが、その人間にとって推し、お気に入りというものは安心できる要素だから、それがいることで緊張もほぐれ、リラックスできて、一周回って気が散らないし、作業が捗るのでは?と思う。
これは人それぞれだからあまりつべこべ言うものではないけれど、もし実現できたら面白いなと思う。

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