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今年読んだ小説の中で1番。

こういうのは順位の問題でもないですが、
もし誰かに聞かれたらって感じで薦めるなら、
「プロジェクト・ヘイルメアリー」
です。
今年の元日に読んだんですが、それが一番面白かったです。
特に小説部門(?)では。

この作品。単純に面白いです。
スタートが、長期睡眠から目覚めたら記憶が無くなってて、どうやら宇宙船にいる。他にクルーがいたようだけど、長期睡眠に失敗して全員亡くなっちゃってる。
っていう所からスタートしてて、「どうするん?」の連続でした。

徐々に地頭の良さを活かして状況を理解していき、
地球を救うためにこの宇宙船に乗ってるって気づいていくんですが・・・。

この作品と同じ作者の1つ前?の作品に「火星の人」ってのがあるんですが、これも火星に一人ぼっちになってしまった主人公が何とか生き延びてや
る!!って作品なんですが、「プロジェクト・ヘイルメアリー」も序盤は一人ぼっちで頑張る話です。
作者は一人ぼっちが大好きなんですかね。そこらあたり、勝手に共感してました。

そして後半から怒涛の展開になっていきます。

あとは「火星の人」でもそうですが、科学的思考の大切さ。数学の尊さを思い知らされます。
仮説、実験、失敗、仮説、・・・・・
こういうの、何か言い方あった気がしますね。
「プロジェクト・ヘイルメアリー」の主人公も、「火星の人」の主人公も、
それをしっかり行っていました。
「火星の人」の主人公なんかは、本人の楽観的な性格もあって、切羽詰まっているのに、どこか楽し気に感じられてました。


僕も色んなあれこれを、切羽詰まりながらも楽しんでやるような人間になりたいもんだと改めて思いながら読んでました。

そんなわけで小説部門の1番は「プロジェクト・ヘイルメアリー」です。

あと、色々ミステリーや、歴史もの、名作を読みましたが、
小説部門の2番は「ゴリオ爺さん」でした。
過去の名作です。
それと並ぶ勢いで、何なら1位になるんじゃないかって作品に「肩をすくめるアトラス~矛盾律~」があるんですが、
残念ながらまだ読書途中で、しかも続編で分厚い本があと2冊くらいあるようで・・。読み終わるのは来年のおわりくらいになりそうなので・・・。

「ゴリオ爺さん」
娘2人を持つ父親。その父親と同じ下宿に住む大学生。
娘2人が社交界で少しでも承認欲求を満たしたいがために、
父親にお金をせびります。
父親もそこまで裕福ではなく、なけなしの財産を売りはらって何とか娘2人に与え続けますが、
身体にも、財産にもやがて限界がきて倒れます。

その時の娘2人の行動が・・・。って感じです。

これが名作だなって思ったのが、1835年に書かれたという所。
そのころから、承認欲求、名誉欲というか、マウント欲求。
ワイドショー的なものに反応する野次馬欲求。
こういうものが変わらないんだなってしみじみ思います。
心理描写が解説ちっくなんですが、それがかえって真をついている感じがしてためになりました。

本当に、「ゴリオ爺さん」を参照にして、現在のそういうのを想像して創造したいなとか思わされます。
ホント、時間があればなあとか思ったり。

あと、やはりテーマの中にに当時の大学生、下宿、お金があると思うんですが、そのせいで「罪と罰」を連想するんです。
で、「罪と罰」が書かれたのが1866年。
やはり、色々リンクされてるというか、併せて読むと当時の風景が色々見える感じでそれも面白かったです。

昔ながらの名作って、大人になって読むとやっぱり面白いんだなってしみじみ思いました。

ミステリーとか、歴史ものとかもそれぞれ面白かったんですが、
面白さを超えた衝撃があったのがこの2作品でした。

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