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28 成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈 作

たまには流行りに思いっきり乗る事が必要です。

そんなわけで、本屋大賞を獲った
「成瀬は天下を取りにいく」を購入。
読みました。

いや、正直、初めて本屋で見かけた時から気になってました。
こういうテイストだろうなぁってのも予想がつきましたし、感想がちょこちょこXとかで書かれているのを読んでも、ああ、こんなお話だろうなぁっ勝手に想像をしました。

その想像で満足してしまい、購入をやめてました。

  〜〜個人的な見どころ〜〜

 ①思ったより滋賀
舞台が滋賀の膳所ってところです。
そこの西武百貨店がなくなるってところからお話が始まります。
閉店が夏休みが終わる8月31日です。カウントダウンもはじまってます。
成瀬はそこで決意します。

夏休みの間中、西武百貨店に通おうと。

あとは、その西武百貨店が無くなるって事で、再び集まった地元民のお話や、琵琶湖のクルーズのお話、地元のお祭りのお話など…。

ほぼ話の中心、ストーリーの背骨は滋賀なんですよね。

進路のお話?東京のオープンキャンパスの話?って思ってたら、なくなった滋賀の西武百貨店の本店を訪れていたり、M-1に出るってなって、お?お笑いに名を刻むストーリーか?って読み進んでいくと、滋賀のご当地ネタを語りたいだけっぽかったり。

ほんま、滋賀って感じのお話です。
成瀬のキャラがもう少し弱かったら、ただの滋賀物語になっていたかもしれません。

 ②学校の匂いのなさ
学生なんですが、学校の描写をあんまり感じさせません。
そりゃ、夏休みであったり、班活動→標準語?でいうところの部活動があったり、高校デビューのお話もあったりで、学生ライフを送っているのはわかります。

だけれども、どうしても学校って感じはしない。放課後物語のにおいがします。
やはりコロナ禍だった時代もあるからでしょうか。
それとも今の若者たちが、学校生活っていうの相当ドライに考えていて、それぞれのプライベートを尊重するといった形になっているんだろうか。

謎です。

成瀬のキャラ的に、小学生の頃は、いじめにつながりそうなこともありかけたようですが、そこまで発展はしなかったようです。
個性に対する距離の置き方が変わってきてるのかなと思ったりしました。

 ③超日常
タイトルや表紙やデザインを見て、一番気になったのは、成瀬はどこまで本気で、何の天下を取りにいくんや?
って事だと思います。

何でもできる、スーパーウーマン、スーパー学生を想像する方もいるかもしれません。

そんな事はなく、思いっきり日常でした。

勉強の成績とか、班活動での成長がすごいのはありますが、別に人智を超えた何かがあるわけではないです。
ただ、気になることに真っ直ぐ、さぼらず取り組んでいっているだけといえばだけで。

だからこそ魅力的だったりします。

人付き合いは不器用ですが、不器用なりにしっかりと対応していってます。

変わってはいますが、やっぱり嘘をつかない女性なので、人付き合いに困るということはないと思います。
相手も成瀬が嘘をつかないのはわかっているので、付き合いしやすいと思いますしね。 
ただ、まっすぐすぎたので、最初の目標の200歳まで生きるっていうのが強烈で、そのために生きてるところがあるので変わったところも大変は最初の目標設定が誤りというか飛び過ぎてるからだと思われます。

要するにびっくりするぐらいの日常のお話でした。

    

   〜〜まとめ、雑記〜〜

ほんと、表紙のままでした。
ってか、逆にこの表紙、ほんとよく出来てるなと。
表紙とカバーのデザインとタイトル。
この3つが完璧に揃って大賞を取得しました!!
な気がします。

正直、このタイトルと表紙の女の子で、皆さんどんな主人公を創造するでしょうか?
まっすぐ世間の価値観と離れることを気にせずまっすぐ進もう女の子。
自分の道を行くんだなっていうのもわかります。

もしわからないことがあるとすれば舞台ですね。どんなことをやろうとしているのか?
主人公は学生だけれども、学校行事で何か頑張るのか?そんな感じ。

そういうわけでタイトルと表紙そのキャラクターデザイン。これを見てどんなお話かって想像するのは楽しみの1つだったりします。

実際の恋愛問題で、ちょっと良い人がいたら、この人はどんな人だろう?とかって想像するようなもんです。

今回もまぁやはり想像と違うのはやっぱり当たり前なんですけれども、それでも期待通りなところは期待通りで良い作品だなと思いました。

あとは続編。どうなっていくんでしょうか。
考えてみたいですが…。

では、また。

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