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地獄の専門家:占い師の日記

逆縁や自殺は地獄行きという時点で、神仏の器量が理解できない。スピリチュアル業界では「苦労」を「試練」と言い換えて、なんとなく乗り切れそうな気がするけれど、

私は、「地獄の沙汰も金次第」という言葉が好き。

生まれる前に人は、容姿、家系、人生の大体のイベント、知り合う人を決めてくると言う。が、それは一度、生まれれば記憶から消える。
そうしないと人生に本気で臨めないからだというのは解るが、「あなたの試練は生まれる前から決まっていました」と言われても納得できる筈が無い。
生まれに悩み、ままならない他人に悩み、たまに死にたがり、たまに誰かを裏切り、「複雑愛」に落ち、死後、地獄に落ちるのならば、それは最早、意地悪な神様の設定ルールミスである。
人の気も知らないで、他人の人生に価値を測り、更に裁くとは、何様なのだろう、神様だけど。

さて、そのイライラした感じで古事を読むと、ところどころ「うらない」に関する人物が出てきて興味深い。
今の大河ドラマ『光る君へ』に出てくる安倍晴明もビジネス陰陽師である。確かな力がありながら、仏が助けに入らない、神が気まぐれで雲隠れ、その時は地獄の夜から出仕してくれる。「そうそう、この感じ!」と憧れである。

占いは、神仏を畏れながら、人間がパンクに生きるための知恵だと思う。
聖職者が言う綺麗事と、俗世の人間が歩むための建前の狭間を縦横無尽に移動して、どうせ100年に満たない生を、精一杯、生ききるための知恵である。

20年くらい前の「癒しブーム」で、何か、そもそも何に傷ついたのかよく解ってもないのにいきなり「癒しブーム」に突入したけれど(本当は傷ブームが先に来るべきだ)、満身創痍で我が儘に生きて何が悪いのか。
むしろ、他人のために生きると宣言して、実は自己中心的な人の方が始末に負えない。
占いで苦痛から逃れようとし、自己を通そうとし、恋愛においては慰謝料覚悟で法律を無視し、あるいはその相手に法的な復讐する人、未来を番狂わせに導きたい人、
「こんな願いは通してはいけないと思いますが」と謙虚な人ほど、神仏の手からこぼれ落ちた人ほど、地獄の専門家の占い師に頼れば良いのでは無いかと思う。(予算を先に伝えましょう)

占い師が見慣れた闇は、夜よりも暗く、絵具よりも黒く、光よりも明るい。

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