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「えんとつ町のプペル MOMO5号機」打上げ結果について

この記事は
【新型コロナに負けない!】インターステラテクノロジズは宇宙開発をあきらめない!!
の活動報告に投稿されたものと同じです。

観測ロケット「えんとつ町のプペル MOMO5号機」の6/14(日)の打上げに関して、多くの方よりご支援、応援をいただきました。本日実施した打上げについての速報をご報告いたします。

「えんとつ町のプペル MOMO5号機」は指令所からの手動の緊急停止(エマスト)により計画より早く飛行を中断し、安全に海面へ落下したことを確認しました。

また、下記のとおり速報にて情報をお知らせ申し上げます。

1.打上げ日時・時刻 2020年6月14日(日)5:15:00 

 飛行中断時刻 5:16:10 

2.燃焼時間:68〜70秒

3.最高高度:11.5km程度 ※宇宙空間には未到達

4.着水時刻:5:18:52

5.着水場所:射点から約4.12kmの沖合

「えんとつ町のプペル MOMO5号機」は打上げ後、T+70秒(Tはターゲット時刻を表します。今回は、5:15:00です。)に機体の落下予測地点と姿勢角が基準値を超えたため、手動で緊急停止コマンドを送信し、計画よりも早く飛行を中断いたしました。

そのため、最高高度は11.5kmと、宇宙空間には到達できなかったことを、お知らせいたします。

▼緊急停止の原因について

※はじめに、本報告については、速報値であり緊急停止の原因等については推測となりますこと、ご承知おきください。

姿勢角とは、ロケットの飛行方向を決定するロケットの向きを表す数値です。「えんとつ町のプペル MOMO5号機」は、T+60秒程から徐々にこの姿勢角が振れ始め、あらかじめ決めた基準値を超え、そのため予定していた範囲の落下予測地点から外れることを地上指令所で確認いたしました。手動の緊急停止コマンドを送信し、推力を停止したロケットは、自由落下し安全な海域に着水したことを確認しております。

緊急停止コマンドを送信した時刻は5時16分10秒。計画では120秒間の燃焼をする予定でしたが、70秒間の燃焼となり、結果として最高高度は11.5kmと目標高度であった宇宙空間の100kmには到達いたしませんでした。

現在推定している原因として、T+36.3秒からノズルから破片が飛散していることを機体搭載カメラで確認しています。またそれ以降、ジンバルの角度に変動があったことも確認しています。

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現時点ではノズルに破損が起こったことで飛行に乱れが生じたと考えております。破損があったT+36秒時点では制御可能な状態でしたが、高度10km程度の最大動圧点(MaxQ)を超えたあたりから、姿勢の制御を失いはじめました。

本日時点でもMaxQよりも上空は強い風が吹いていました。昨日の打上げはジェット気流が強かったことで延期しましたが、本日は基準内ではあるものの強い風が吹いている状態でした。通常飛行であればクリアできる設計ですが、ノズルの破損によって風などの外因に耐えられなかった可能性があると考えています。

指令所から緊急停止のコマンドを送る判断は、いくつか基準値がありますが、ノズルの破片が直接的なコマンド送信の理由ではなく、落下予想地点と姿勢角が基準をオーバーしたことが地上から緊急停止のコマンドを送信した理由となりますので、詳細な理由について今後の調査にて究明していきたいと思います。

▼多くの方から応援いただいた「みんなのロケット」

「えんとつ町のプペル MOMO5号機」は、宇宙兄弟とコラボしたクラウドファンディング、またその後の新型コロナウイルスによる打上げ延期時のクラウドファンディングと、非常に多くの方から応援いただいたロケットでした。

●「再び宇宙へ!みんなと宇宙兄弟のチカラでMOMO5号機を宇宙に送ろう!」

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●【新型コロナに負けない!】インターステラテクノロジズは宇宙開発をあきらめない!!

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今回は残念ながら宇宙空間に到達するというミッションは達成できず、応援いただいたみなさまにはとても申し訳ない気持ちでいっぱいです。

しかし、ノズルの破片を除いては現時点で大きなトラブルは確認しておらず、離床とT+60秒までの飛行については、とても安定していたことは大きな成果と考えております。

また、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、完全無観客での打ち上げ実施を進めてきました。大樹町には、ロケット打上げを観覧する人は、ほぼきていない状態だったと確認しております。懸念されていた新型コロナウイルスが与える打上げへの影響について、我々の今回の対策の有効性が確認でき、ほっとしております。

こちらも、多くの方にご協力いただいた結果でもあります。ありがとうございました。

ISTではすでに次の機体の製造を進めています。「誰もが宇宙にいける未来をつくる」「宇宙をもっと身近に」というミッションのもと、ISTの事業であるロケットによる輸送業を実現するため、スピーディーな機体製造と打上げを、今後も目指していきます。

引き続き、みなさんからの応援、ご支援を得ながら宇宙を目指していきたいと思います。

速報ではございますが、ご報告とさせていただきます。


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