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『夢見鳥(Game ver.)』から考察する樋口円香の臆病さの理由と原因

 先日1月1日、元旦という年明けのめでたい日に円香のsolo曲『夢見鳥』がゲームに実装されました!(いえーいどんどんぱふぱふ)

 タイトルだけで円香学会を震撼させたこの曲、私は実装されるまでシャニマス故のクオリティに対する信頼と、タイトルから感じるえげつないものが投下されるのではないかという恐怖、そんな高揚やら緊張やら不安やらがない混ぜになった心持ちでした。

 まぁ実際、曲自体は期待通り期待以上の素晴らしいもので、曲全体のクオリティはさることながら、バラードと円香のベストマッチ具合が素晴らしくて、、

 そんな素晴らしい曲のおかげで、私は正月からウッキウキで過ごしていたのですが、曲を聞いている時にふと思ったのです。
 円香に関する疑問、もしかしてこの曲で解決できるんじゃね? と。

 さて、ということで本題です。
 今回の記事はタイトルにある通り、『夢見鳥』が円香の臆病さの理由を紐解いてくれるのではないか、という考察になります。
 具体的に言うと『円香って昔経験した出来事で心に傷を負ったから臆病になったんじゃね説』です。

 歌詞に関する考察ではなく、歌詞を元にした円香に関する考察がメインで、歌詞からの考察を結論として、想像でそれを補強するという結論ありきの想像に想像を重ねた考察になっています。
 それらをご了承の上お読みください。


歌詞

 耳コピにはなりますがゲーム実装されている分の歌詞と視聴動画のリンクを置いておきます。バラードだけあって結構聞き取りやすかったですね。

背の高いビルの間に
ひっそり咲いてる花たち
なんだか寄り添うように
小さな光に照らされていた

踏み出すことで何かが
壊れてしまうこともある
綺麗なものにはきっと
棘が付いてるから

確かなことなんてないよね
人も景色もこの気持ちも
その中で見つけた温もりだけ
心にそっと閉じ込めた

今日がまた訪れる
それは儚い夢のよう
不思議と高鳴る胸に
悪くない気がしたんだ


円香の抱える『臆病さ』について

 知っての通り、シャニマスの魅力の一つに、ステレオタイプでないが故にキャラクターの記号化が難しいという特徴があります。
 一つの要素や特徴によってアイデンティティが構成されているのではなく、さまざまな要素が入り混じったキャラクターそのものがアイデンティティになっていると言えばいいのでしょうか。
 円香も例に漏れず、公式のアイドル紹介ページ曰く『クールでシニカル』なのですが、彼女は決してそれだけのキャラクターではありません。

 クールなだけではないのは、ところどころで描写されるシャニPに対する複雑でぐちゃぐちゃな感情からも察せられますし、アイドルを始めた理由からは考えられない程、熱心にアイドル活動に取り組んでいる上、周りにかなり気を配れる女の子です。

 そういった円香を構成する要素の一つが『臆病さ』です。これが一番強く、わかりやすく表れていたのは円香W.I.N.G.の『心臓を握る』でしょう。

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 ここで本人が明言した通り、彼女は『期待を背負うこと』や『他者から評価をされること』を極端に嫌います。
 前者はW.I.N.G.『シーズン2通過』や感謝祭『無に送信』『然るに受信』で、後者はカラカラカラ『エンジン』。

『他者から評価されること』に関してはギンコ・ビローバのTrueEnd『銀』も当てはまります。
 2周目のP-ssrギンコ・ビローバは色々な方が考察されているように、『沈黙は金、雄弁は銀』という言葉が主軸に据えられており、シャニPは銀、雄弁、囀、不見(見せない)で円香が金、沈黙、噤、不言(言わない)といった対比や、金色の世界、言葉(噂話、過去の発言、誠実さ)、ゲーテ(2つが1つになったのか、1つが2つになったのか)、といった要素が散りばめられたコミュになっています。

 しかしながら見方を変えると、あのP-ssrは『他者からの評価』という面にかなりフィーチャーしていると言えます。
『信』は噂、『偽』はアイドルとオーディション、『銀』はプロデューサーと商店街の人達。それぞれ円香への評価、アイドルへの評価、シャニPへの評価、といったように。
 そしてこれは天塵やW.I.N.G.での円香に関わってくる要素でもありますよね。だからこそ、『期待を背負うこと』と同様にコミュに何度も登場する『他者から評価』というものは、円香について考える上でかなり重要なファクターであるのではと思えるのです。


歌詞の考察

踏み出すことで何かが
壊れてしまうこともある
綺麗なものにはきっと
棘が付いてるから

 この歌詞、聴き始めてしばらくした時に少し違和感を感じたんですよね。『自分』が踏み出すことで『何か』が壊れてしまうことの理由が、『綺麗なもの』には棘がついているからということ。
 これらが繋がらない違和感。
 私は『踏み出すことで壊れる』と聞くと、自分の行動によって何か物を壊してしまったという印象を受けるのですが、原因は自分の行動(踏み出す)とは関係の無い外部の『綺麗なもの』。多分これが私が歌詞で感じた違和感です。

 ならば、綺麗なものが円香自身ならばどうだろうか。
 そうすれば踏み出した際に、彼女自身の棘によって何かを壊してしまったという構図が成り立つので違和感は無くなったように思える。
 しかしながら、円香が自分を綺麗と自称するだろうか。

 ではどうすれば違和感がなく歌詞を解釈できるのか。
 そもそも『何か』が自分の内部にあるものならば良いのではないか。『何か』とは自分の心の暗喩なのではないかという考え方です。

 そうすれば踏み出したことによって棘が刺さり自分が傷つく。そして自分傷つくことが『何か』が壊れてしまったと言えるのではないか。

 さてその場合、問題は『自分=円香』の『何か=心』を傷つけた『綺麗なもの』は何なのか。これが今回の考察に繋がります。


仮説1:綺麗なもの=浅倉透

 さて、今回提唱するのは先述したように『円香って昔経験した出来事で心に傷を負ったから臆病になったんじゃね説』になるのですが、この昔の経験には3通りの仮説があります。

 1つ目はタイトルにある通り、彼女の心を傷つけた原因の綺麗なものが浅倉透ではないかというものです。

 何故『綺麗なもの=透』なのかというと、現実や咲耶の父親、摩美々の母親など人格を形成する要素は十代の人間関係に寄るものが大きいため、幼馴染の誰かが該当するのではないか。円香が綺麗と形容するのであれば透ではないか。と考えたからです。雛菜や小糸も価値観や努力する姿故に当てはまりそうではありますが。
 また、『踏み出すことで何かが壊れてしまう』のならば、踏み出さないための浅倉呼び(距離をとっている)ではないかって考えたのもあります。これは結構ガバい理論ですけど。

 円香が登場するコミュでは、度々自分の実力やアイドルとしての才能について言及する場面があります。そしてそのことごとくが自分を過小評価するものです。

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 そして彼女はこうも言います。夢は叶わない。努力しても気持ちがあっても、届かないものはある、と。

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 その発言の全てが真意というわけではないでしょう。いつだって正面突破気味なシャニPとは正反対に、円香は自分の想いを隠そうとする傾向にあります。

 しかしながら、こういった現実的とも厭世的ともとれるこれらの発言に関しては、円香の想いと近しいのではないかと思うのです。

 実際、自分の実力に自信があるのであれば、『心臓を握る』ことにはならないでしょう。

 さて、ではなぜ円香はこのように感じるようになったのか。それは過去に円香は透と並び立つことができなかったからではないでしょうか。

 『他者からの評価』つまり比較されるのを嫌うのは過去に決して透を越えられなかった経験があるからではないのか。
 『身の程を知った=透には追いつけない』という過去があるからではないのか。
 そして円香はその事実に傷ついてしまったのではないだろうか、という説です。

 では何故透に並び立とうとしたのか。正直ここに関してはかなり無理矢理感のある考えしか出てきませんでした。なので一旦置いておくとして、

 ここまでの話を聞いて、こう思った方もいらっしゃると思います。

 その場合、円香の三大迷言のうちの一つ、天塵での『透にできることで、私にできないことはない』はどうなるのか。

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 確かに、このモノローグを額面通りに受け取るならば円香が透に能力的に及ばないと考えているようには見えません。

 ただ、これに対するアンサーは既に他ならぬ円香自身が出しています。

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 もちろん、これは全ての断言された言葉に対するマジックワードではありません。
 なので「考察のために無理矢理当てはめてる」と言われても仕方はないでしょう。

 しかしながらW.I.N.G.と結成コミュは、アイドル個人とユニットの始まりである重要な立ち位置のコミュで(といっても未だ放クラの結成コミュは未実装ですが)、この2つの発言はそこでのものと考えると、重要な意味を持つ言葉ではないかと思うのです。

 更に言えば、天塵において何度か描写されていたように、ノクチルは才能型の透と雛菜、努力型の円香と小糸に分けることができます。勿論、透と雛菜が努力していないわけではないですし、円香と小糸に才能が無いわけではありません。あくまで比重の話です。

 そんな努力で透についていく円香の『透にできることで、私にできないことはない』というモノローグは、自分に言い聞かせているように、つまり『そう思い込もうとしている』ように私には見えます。
 小糸の『みんな、わたしがいないと駄目なんですよ』に近い印象と言えばわかりやすいでしょうか。

 それに思い出して欲しいのは、円香は透に対して後方理解者面をする人間です。そんな彼女が、自分を低く見積もっているにも関わらず、そのようなことを思うでしょうか。
 だからこそ、この発言は額面通りに受け取るのではダメなのです。

 つまり、円香の彼女自身への過小評価と天塵での透へのモノローグ。これらが『綺麗なもの=浅倉透』という仮説の裏付けです。


仮説2:綺麗なもの≒芸能界

 円香を傷つけた綺麗なものの正体、2つ目の仮説は芸能界のようなものです。
 『のようなもの』とフワッとしてるのは、確定できるほどの証拠が現状無いからです。

 これに関しては仮説1よりも正直微妙な説ではあるのですが、

 まずは、円香W.I.N.G.の最初のコミュ『夜に待つ』での円香が見せた芸能界への不信感。

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 そして度々見せる他人からの風評への警戒。

 これらから、過去に芸能界のような一見綺麗な世界に足を踏み入れ、そこで他人の悪意に触れたからと考えたのが『綺麗なもの≒芸能界説』です。
 この場合、『棘=他人からの悪意』ですね。

 しかしながら、この説は仮説1よりも穴がある説で、

 いくら『夜で待つ』での行動が突飛だとしても、いきなり透が『アイドルやる』とか言い始めたら、騙されたのではと考えるのも当然ではないか。
 ましてや透からすればシャニPは信用している存在でしょうが、円香は彼を全く知らないのですから、シャニPに対して不信感バリバリなのも納得ということ。

 そもそも近しいものに所属していたら、過去のファンや雛菜たちが黙ってはいないのではないか。
 例え有名じゃなかったり凄い昔のことだとしても、透あたりがぽろっと口に出しそうということ。

 など結構ガバガバです。なので芸能界のような何かに属していた、というのはちょっと弱いかな、と思います。


仮説3:棘=他人からの悪意

 なので3つ目の仮説は、『綺麗なもの』はわからないけど、それが持つ『棘=他人からの悪意』に晒されていたことがある、という説です。
 この場合、他人からの悪意は噂話やバッシングなどになります。

 仮定2において、棘に関する否定材料って正直無かったよね? むしろ後押しする情報が多い気のでは? それならそこだけ残しちゃおう! という説。

 他の理由としては、先述したように、そもそも円香のコミュにおいて『他人からの評価』(=風評)といったものが度々登場すること。
 過去にそのような経験をしたからこそ、他人からの風評に関するコミュが多いのではないか、ということです。

 そういった経験があるからこそ、心の内には過去の経験からの恐怖が根付いており、害意のある人間や行動に敏感になってしまった。

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 だからこそ、幼馴染に同じような目に合ってほしくないと思っている。
 故に天塵ではメンバーの中で唯一、番組に対して警戒心MAXで、一番悪意に晒された時に被害が大きいであろう小糸を憂いて、シャニPに啖呵を切ったのではないか、という考えです。 


まとめ

 結論としては円香の『臆病さ』の理由は『過去の経験』によるもの。
 そしてその原因は三通り考えられる、というものでした。

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 ここまで書いていてなんですが、正直、どの仮説も当たってなさそうだなぁ、というのが感想です。ある程度自信を持てているのは歌詞の考察までですね。仮説3くらいはありそうですけど、これは既に結構言われてそうなのが、、
 そもそも歌詞からの考察を補強するために作った仮説なので、元から継ぎ接ぎだらけと言いますか。

 というか、今回私が書いたのって、人格形成には相応の過去があるっていう当たり前のことを確認しただけなのでは、、? 6000文字の価値あったんかこれ、、?

 ちなみに、『綺麗なもの=大衆』という皮肉では? 彼らに代弁者になられたことがあってそれを見て心を痛めたのでは? という説も考えたのですが、流石に皮肉が効きすぎてるのと、コミュでのセリフに引っ張られすぎだなということで、この説は取り下げました。
 代弁者ということにそこまで強く忌避感を覚えていたわけではないようですしね。
 シャニPを代弁者と捉えてそれを嫌がっている、というよりは気にしないでっていうメッセージに円香なりのスパイスを加えた結果だと思いますし。

 あとは、踏み出したのも傷ついたのも自分ではなくて他の誰かっていう説。自分自身じゃないけど経験として知ってるみたいな内容だったんですが、これはなんで取り下げたんだったか、、忘れちゃいましたね。

 最初に書いたように、かなりの割合で想像が入った考察だらけになってしまいすみません。
 後から読み返すと考察1で力尽きた感が凄い。実際そうだけど。

 CDの発売やコミュ追加で新しく考察の余地が生まれたら、またしっかり考察してみようかと思います。

 ということで、ここで考察は〆になります。
 私には、まだ本当の円香はつかまえられなそうです。


駄文・『プロデューサー』

 この記事を書くにあたって色々読み返しているとき、こんなやりとりを見つけて、

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 もしこれが、シャニPがなんらかの理由でノクチルのプロデューサーとして携われなくなって、そんな折、プロデューサーが誰もいないのは問題だからとノクチルに283プロの新人Pがあてがわれる世界線。
 最初は大きな問題は起こらず、円香も普通に新人Pに接していたけど、ふとした時にシャニPみたいな言動をとられて、、そんな時に新人Pに発した言葉だと思うとテンション上がりますよね。

 個人的には、その場合、シャニPはそもそも亡くなってる世界線の方が湿度が高くて好きです。

 そのシチュのシャニPに対する円香のモノローグ、めっちゃ聞きてぇ、、

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駄文・三大迷言

 記事書いてる時、『円香の界隈を震撼させた発言の総称』をどう言い表そうか迷って、適当に言葉を当てたんだけど案外正解ですね。

1:透にできることで、私にできないことはない
2:もぎたて♡にーちゅ
3:ぐちゃぐちゃに引き裂かれてしまえばいいのに

 この3つが有名どころな気がしますし。

 補欠は多分、『ノンノン、何も言わないで?』と『これからよろしくね!』あとはミスター・〇〇あたりでしょうか。
 安定の衣装コメントのインパクトの強さよ。

 以上で駄文も終了です。ここまでお読み頂いてありがとうございました。

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