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【フリーランス】2023年の活動内容を振り返る

12月ですか。考えたくもないですね。のっけから根暗で申し訳ありません、夏野です。

年末ってことはどういうことかっていうと、2024年がやってくるってことです。

そして2024年っていうのはどういうことかっていうと、博論の締切ってことです。地獄のフローチャート(順次処理)やめろ。

瞬きをする間に過ぎ去っていった1年間でしたが、振り返ってみると色々なことがありました。

今回はアドベントカレンダーを書く機会をいただけたので、いくつかのターニングポイントを押さえながら、2023年の活動をまとめてみたいと思います。


よく読まれたnote

まずは今年、たくさんご覧いただいたnoteです。予想通りというべきか、過去5年間の会計を全公開したnoteは多くの方にご覧いただきました。ありがとうございます。

振り返りを書きながら、「当初は200万円台だったんだもんなあ……」と懐かしくなりました。どれだけ会社らしくなろうとも、初心を忘れずに励んでいきたいものです。

ちなみに、上記のnoteで触れられなかった2023年の会計については、上半期のみ確定したためこちらのnoteで公開しています。下半期のことはまだ読めませんが、博論のこともあるし、このままいくと横ばい〜+200万円くらいに落ち着くのではないかという感触です。

時系列の振り返り

(〜3月)博論に向け、取引先を縮小する

このあたりまでは2022年に引き続き、ライターとしての活動をバリバリやっていました。大きめの取引先が5社ほどあり、1ヶ月に20本くらい取材記事を書いていた記憶があります。

それと並行してマネジメント業務やマーケティング業務も行なっていたため、2022年に引き続き過労死しそうでした。

とはいえ、3月となると博論の締切まで1年。「忙しいよ〜」とかいって働き方を変えずにいたら、800万円くらいかけて得た課程博士(※)の権利がパァになります。

さすがにそれは洒落にならんので、取引先の縮小を決意。一部の会社様には頼れる後任フリーランスを紹介するなどして、なるべくトラブルなく契約をシフトできるように取り計らいました。

博士号には「課程博士」「論文博士」があります。これらの違いを運転免許に例えるなら、教習所に通う or 免許センターで一発試験みたいなもんです。

当然ながら論文博士(一発勝負)は激ムズとされており、夏野の怠惰さと冴えない頭脳では取得できない可能性が大です。知らんけど。

ちなみに、「博論に備えて少しずつ身を引く」は2023年をつらぬくテーマとなっていきます。

(4月)マネジメント系業務を他の方に委託し始める

実はこの頃、とあるサービスのPdMを期間限定でやってみないかという打診をいただきました。

正直言って自信はなかったのですが、フリーランスになったときから参画していたサービスで愛着があり、雑用でも何でもさせていただけるなら、と受諾しました。

それとは別に、ウェビナーや各種の企画についてもマネジメントの依頼があったのですが、PdMという全く新たな領域に挑戦させていただくとなると、そこまで手が回る自信がなく。

実力のあるフリーランスさんを探し、最初の1ヶ月だけ伴走して、あとはその方にお任せすることにしました。(あまりにできる人なので、1ヶ月の伴走期間も要らなかったんじゃないかと思ってますが……。)

今となっては普通になりましたが、この「任せる」ムーブは当時としてはチャレンジングでした。

だって、フリーランスってめちゃくちゃ不安定じゃないですか。そんななかでいただいた仕事は体力の限り受けたい(=稼ぎたい)と考えるのが人情であって、仕事を独り占めすることなく、「この方にお任せしてはどうでしょうか?」と進言するのってかなり勇気がいるんですよね。

が、結論から言えば本当にやって良かったと思っています。何より、片手間で取り組んでいるようではお客様の利益に貢献できません。

これからは、何が何でも自分でやるのではなく、「紹介してくれた〇〇さん……いいよね!」って言っていただけることを目指すのも良いかもしれない、と感じた出来事でした。

(5月〜12月)PdMに挑戦し、不甲斐なさを噛み締める

いよいよPdMとして参画させていただきました。が、結論から言えばまったくバリューは出せていなかったと思います。

というのも、それまでにPdMを務めてこられたのはデザイナーだったり、エンジニアだったりで、それぞれが手を動かしながら他のメンバーと協働し、バシバシ数値を検証するというやり方をされていたんですね。

それに引き換え私はというと、エンジニアリングもデザインもダメで、数値分析すらままならない状況。見よう見まねでKPIツリーを作ってみようにも、そもそもの数値を肌で感じられていないのだから、地に足ついた施策が出てくるはずがありません。

とにもかくにも恥を捨て、「これがわかりません」「助けてください」を言いまくるしかできませんでした。

この状況はしばらく続き、見かねたお客様からより具体的な指示をいただいて、やっと雑用ならこなせるように。

たとえば競合サイトと比較して足りないコンテンツを洗い出す、サイト上のテキストを最適化するなど、ライターとしてのスキルの延長線上にあるようなタスクは自ら生み出せるようにもなりました。

ただ、こうやって生み出したタスクに対し、手を動かすのは私ではなくエンジニアさんやデザイナーさんです。こんなとき、自分にスキルがあればちゃちゃっと変更して数値検証まで出来るのに……という歯痒さは最後まで消えませんでした。

あんまり年齢にこだわるのは良くないかもしれませんが、32にもなって「全然できてない」ことを突きつけられるのって胸にくるものがあります。

それでも良かったと思うのは、明確に「できない」事実を突きつけられたことによって、できることを地道にやる謙虚さが芽生えたことです。

世の中、よほどの天才でない限り一足飛びに成長することはできません。

既存のスキルから地道に伸ばしていくしかないんだと噛み締めたことは、ともすれば調子に乗りやすい30代前半のキャリアにおいて貴重な経験となりました。(お客様に貢献できなかったことは、本当に本当に悔しいのですが。)

(6月〜)編集業務を他の方に委託し始める

これも「他の方に任せる」系のチャレンジで、これまでフルコミットしてきた編集業務を一部、他の方に委託し始めました。

ただこれも、うまくいったのはそのフリーランスさんがあまりにも出来る人だったためです。

お客様からもまさに「〇〇さん……いいよね!」というお声をいただき、ウェビナー系のマネジメントに引き続いての成功体験となりました。

このあたりから自分の仕事へのこだわりも薄れてきて、組織のレジリエンスの観点からも、属人性の高いタスクを整理し、どんどん切り出していかないと……という思考回路になっていきました。

まだ完全な仕組み化ができているわけではなく、私自身が日本全国を飛び回ったり、キリキリ働いたりすることも多いのですが、いずれは「トラブル時だけ出ていく人」みたいになれると良いのかな、と感じました。

(来年1月〜)PdMは終了、別部門にフルコミット

チームが自走できるようになってきたこともあり、PdMは年内で退かせていただくことにしました。

私は常々、お客様には誠実でありたいと考えています。それは「サービス残業をする」とかではなくて、「いただくものはいただくけれども、それに見合った価値を提供します」というスタンスでいる、ということです。

なのでPdMについても、「チームも自走し始めたし、伝言ゲームのボトルネックになるのは好ましくないので退きます」と自ら申し出ることにしました。

……と、サラッと書くと何やら武士っぽいというか、腹が決まっててカッコいい印象になりますが、実際にはもうちょっと泣き言を言いました。こんな感じです。

「いやあなんか……お客様にこんなこと言うべきじゃないですけどなんですかね、数値出せてるわけでもないし私いる意味ある?みたいな感じなんですよね、仕事いただいたからには数字で返さないとなのにみたいな、これじゃ切られて当然でしょ的な」

書きながら嫌になりますが、そこは長年の関係に甘え、率直な感触を述べました。

(もちろん、ただ泣き言を言ったわけではなく、これとセットで「こういう方向性なら売上出せます、具体的にはこういうスキームです」という提案もしています)

お客様はとても優しいので、「社外のパートナーさんにうまく働いていただけるかどうかはこちらの問題なので、そんなに落ち込まなくていい」「落ち込んだら数字を見ましょう。売上は昨対◯倍なんだから結果は出てるでしょ」みたいなことを言ってくださいました。

「売上はすべてを癒す」とはよく言ったものです。力強く伸びている数字を見ていたら、「この成長率ならば、しばらくは契約を続けていただけそうだ」という気持ちになりました。

これはライターさんに限らずすべてのフリーランスさんに言いたいのですが、切られるかどうかの不安を乗り越えるには、お客様に利益をもたらすのが一番です。

外注という立場である以上、すべてを握ることは不可能でも、「あの人のおかげで〇〇がうまく行き、売上も立った」という事実が継続的に生み出されていれば切られる確率は下がります。

というわけで、来年からはより売上に直結する部分で貢献していく体制を整えることになりました。もはや記事を書く仕事はほとんどありませんが、ライティングが必要になったときはChatGPTよりも早く原稿を書きまくっています。まだまだAIには負けねえ。

その他の思い出

農業用ドローンの免許を取った

いや、いきなり何?ですけれども。取引先がドローン関連のサービスを立ち上げられたので、ユーザーインタビュー対象+フリー素材になるつもりでドローンスクールに入学してきました。

【急に農村へ行った記事(3本立て)】
https://coeteco.jp/articles/13391
https://coeteco.jp/articles/13399
https://coeteco.jp/articles/13402

ドローンといえば空撮のイメージが強いかもしれませんが、私が取得したのはでっかい農業用ドローン。農薬を8Lまで積載できるモデルです。

ドローンの操縦ってなかなか性格が出るもので、私はついつい安全ラインの手前で止めてしまうことが多かったです。

この仕事は業務外の思い出も深いです。学会で知り合った学生さんにスロプロの友達がいるとかで、「仕事に困ってる。何かないか」と言われたので、メンバーとして連れて行ったんですよね。

すると彼は、もうびっくりするくらい操縦がうまい。スロットと競馬で生計を立てられるだけあって頭も要領も良すぎる。度肝を抜かれました。

しかも彼はなかなかチャーミングな男でして、現場車でホテルに着いたあとも、「もうスロットなんか打ちたくないんですよお〜」とか言いつつ駅前のスロ屋に消え、ちゃんと生活費をゲットして帰ってくるんです。もうね、こういう人、大好き。

バインバイン跳ねる現場車に揺られながら、カメラマンとスタッフが「絶対当たる馬券ってあんの?」「あるわけじゃないじゃないですか!」とか言っているのを聞いているのは幸せな時間でした。こういう経験のためにフリーランスやってるぜ。

フリーランスさんの募集(採用)を多数行った

スロット!競馬!ドローン!の話から一転、真面目な話になりますが、今年は多くのフリーランスさんとご縁をいただいた1年でもありました。

上でも少し触れたとおり、事業はそれなりに好調なので、人を増やさないと回らないわけです。明確な人数は言えませんが、少なくとも10名を超えるフリーランスさんから新たに参画いただきました。

それだけ募集をしていると、そちら方面のノウハウもだんだん蓄積されてきます。ミスマッチを防ぐためにどのような質問をすれば良いのか、フリーランスさんがご不安に思われるのはどのようなことか、どういった方がカルチャーマッチしやすいか、など、など。

右も左も分からなかった1〜2年目と比較して、長期に定着してくださる方が増えてきた(打率が上がってきた)のを感じました。

それでも百発百中とはいかないのがマネジメントの難しいところでして、せっかくご縁をいただいたにも関わらず期待に応えられなかったケースもいくつかはありました。

こういうことがあると、フリーランスさんはもちろんお客様にもご迷惑がかかります。今後も丁寧に向き合いながらマッチする方を探していきたいと思います。

フリーランスさんが定着しやすい環境づくりをした

さて、上記でも少し触れましたが、フリーランスさんの募集が「成功」になるかは定着するかどうかにかかっています。

せっかく参画してくださっても「何か違う」と2ヶ月で離脱されてしまうようでは、関わる全員のコストが無駄になるからです。

そこで今年は、とにもかくにもフリーランスさんが働きやすい環境を作ることに腐心しました。たとえば……

月末にバタバタしないよう、請求フローを最適化する

具体的には、発注内容をスプレッドシートで常時共有し、金額・内容に間違いがないことを随時確認。

月末になって「別の担当者からこれも相談されていたのですが、記載がなく……」のような連絡がドバッと来ないよう、透明性を高めました。

自由立候補制の仕事枠を設ける

誰が・いつ取り組んでも良いタスクを常備。

他社案件のレス待ち時間や急に予定が空いたときなど、フリーランスさんが自分のペースで稼げる仕組みを作りました。

1:1面談、ライターミートアップの開催

定期的に1:1面談を開催し、仕事上での悩みだけでなくプライベートなお悩み、近況なども聞かせていただく機会に。

「最近動画制作を始めて……」のように伺った場合は、可能な範囲で案件化していきました。(こちらとしても、動画制作スタッフを新たに探す必要がなくなりwin-winです)

また、クライアント様の生の声を聞ける場としてライターミートアップを開催。IR資料などを開示していただきながら、事業の調子やフリーランスさんに求めていることなどをざっくばらんに話していただき、質疑応答の場を設けました。

ライターさんのキャリアアップ支援

たとえばSEOライターさんにインタビュー案件をおまかせするなど、積極的にキャリアアップの場を提供。

なおかつ、初めから本番ではシンドイだろうということで、

録画からの制作
 →取材同席(インタビューは夏野が実施)
 →取材同席(インタビューはライターさんが実施)
 →単独取材

のようにステップアップしていただきました。

2023年のまとめ

というわけで2023年をまとめると、

お客様の事業を成長させたい
 →そのために必要な施策を考える
 →タスクに分割
 →フリーランスさんに委託
 →既存フリーランスさんだけでは回らない
 →新たに募集

というサイクルを無限に回した1年でした。それはもうハムスターの回し車のごとく、現在も絶賛回転中です。

このような立ち回りをした結果、過労死寸前の労働時間もかなり圧縮されまして、現在は週1の常駐+1日2時間程度の稼働になっています。

さすがに年末は慌ただしくなってきましたが、それでも去年と比べるとずいぶんマシになりました。

おかげで研究についても、

  • 投稿論文1本(※残念ながら不採択)

  • 学会発表3本(うち1本は共同)

  • 学会応募準備2本(いずれも共同)

という結果を残すこともでき、博論もちょっとずつ進んでいます。総括すれば、そこまで悪くない1年でした。

来年もなんとか生き残れるように、きちんと結果を出していきたいものです。残り1ヶ月、気を抜かずにやっていきましょう。

SEOライターさん募集中

先日こちらのnoteでもお知らせしたとおり、弊社では年末の繁忙期に向けてSEOライターさんを募集しております。

すでに複数名の方とご縁をいただきましたが、まだまだ募集中ですので、お力をお貸しいただける方はぜひ以下よりご応募ください。多くの方とお話しできることを楽しみにしております。

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