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連作短歌

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連作、というほど大げさなものではありませんが、連なりの中で表現したものたち。だいたい思い立って一気につくります。
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#海

連作短歌:みずとうみ

許された湖はまだ狭すぎて抱かれても人魚にはなれない 海の底まで太陽は手を伸ばし光をくれる、いらないのにな 湖に沈んだ村のポストより吐かれゆく透明な正義が 沈黙にグラスの汗は紺碧でオー!ダーリンの声も吸い込む 水面よりぱしゃり、と音が 境界をつかのま越えて僕らは歩く 満月になったクラゲがおやすみを言えば明日の雨は眠れり 文学フリマ東京で手に入れた歌集「絶島II」に掲載されていた森山緋紗さんの短歌がとても印象的で、思わず感想を呟いてしまったのですが… 歌の本意はどこ