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連作短歌

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連作、というほど大げさなものではありませんが、連なりの中で表現したものたち。だいたい思い立って一気につくります。
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2023年12月の記事一覧

2023年の自選五首を呟く

終点の光もただの光だし光のなかをうちへ帰ろう 純の字を冷たく書いていくようにプリンを指でかき混ぜている 瞬きで星と話しているのだろうホームの隅で蛍光灯は ピンボケの夢ばかり見て心ではいまだ涙が止まらぬらしい ブランコを漕いで宇宙へ飛んでこう宇宙いくから学校休み 年末のハッシュタグ企画に乗っかってチョイスした2023年の自選5首です。 ちょうど半年前にも似たようなハッシュタグで、上半期4首を選んだのですがその時の歌から2首、下半期の歌から3首、で都合5首となりました

連作短歌:きくらげラヴァーとユニバース、5首2連

ある日なんの魔が差したものか、初めて買って帰ったきくらげが好きになってしまいました。詳しい経緯はこちらです。そうしてきくらげについての5首作、「ラブ」と「ユニバース」のふたつのテーマで短歌を詠みました。 こいつは何を言っているんだ、という感想はもっともです。自分でも何を言っているのかわかっていません。でも愛であり宇宙なんです、きくらげは。   Side.A きくらげラヴァー きくらげにきみの気配を探してはひとつずつまた洗う真夜中 戻らない夏が乾燥しきったら戻るかなぬるま