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葉加瀬太郎はしあわせなひと


とは言え、葉加瀬太郎のことはほぼ何も知らないできた。

知っていることと言えば、かつてクライズラー&カンパニーというのがあったこと、情熱大陸って曲はやたら盛りあがる感じみたいってことぐらいだと思う。

もっと正直に言えば、俗情と結託しやがったバイオリンくらいに思ってたし(すみません)かつて葉加瀬太郎が髙田万由子と結婚した時、ナンシー関が「葉加瀬万由子か高田太郎かハッキリしろ。」って書いたのに大笑いしてたくらいの距離感だったです。今までは。

夫が飛行機が好きで飛行機の動画をつきあっていろいろ観ていて知ったのですが、ANAの飛行機に乗ると聴けるAnother skyという音楽は葉加瀬太郎作だったのですね。本当に寸分たがわずちょうどいい仕上がりの、極めて上品な楽曲。まさしくプロの見事な仕事だと思った。

そしてANA Team HND(羽田) Orchestraというのがあることを知りました。2011年にANAグループの社員が作ったアマチュアオーケストラで、機長、CA、グランドスタッフ、整備の人、サラリーマンetc...から作られている。バイオリン、クラリネット、ドラム、ベースetc...多様な編成です。

このページを読むと、基本的なことはなんとなくわかると思う。ともかく楽しそうである。こんな人生っていいねって思ったりして動画を観漁った。10年間、このオーケストラの人たちはAnother skyを大事に大事に演奏し続けてきたのである。時には軽妙に。時にはしみじみと。古い動画から新しい動画を次々に観ていくと、彼らにとってこの曲が名実共に大切な曲になってゆくさまが体感できてしみじみする。演奏を繰り返すほどに、慣れることなく研ぎ澄まされて、曲は演奏者の一部になってゆくのだ。

しかしながらこのコロナ禍で航空会社は、今現在、非常なる苦境に立たされている。ANAのボーナスカットのニュースだって、最近のものだし...。たとえコロナが収まっても、皆が自由に旅立てる日がくるのはいつなのであろう。

そんな中、葉加瀬太郎がANA Team HND Orchestraと共に、一緒にレコーディングをしビデオ撮影もしたという。(下の動画はメイキング)

ともかく非常に技術が高い。そして素朴に心から楽しそうである。葉加瀬太郎も含めて。

考えて見れば、自分が作った音楽をこれだけたいせつに発注元の社員のアマチュアオーケストラに演奏し続けてもらうなんてことは、僥倖みたいなことであろう。それも10年間も。健やかな時も大変な時も。いつでも。いつまでも。

最後に2020年10月11日に開催された、ANA中標津東京線 就航30周年記念コンサートを貼ります。コロナ禍の2020年、メンバーが集まって観客の前で演奏する機会は、この10月までなかったそうです。Another skyの部分だけを貼っていますが、良かったら最初から観てみてくださいませ。非常に胸にくるものがある。

わたしは、バイオリンと端のフルートの人のファンです。個人的に。音色の美しさと勁さに泣きそうになる。

コロナが落ち着く日が来たら、羽田空港に行ってぜひ生で演奏を観たいものです。

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