【ノンフィクション】 いつかまた、きっと
四月九日。
僕は来月で十四歳になるけれど、誕生日を迎える前に天国からお迎えが来そうだ。なんて冗談を言えるくらい心は元気、だけど体が全く動かない。「のうしゅよう」という病気だと、お医者さんが言っていた。僕はチワパピと呼ばれるミックス犬だ。尖った耳に長い鼻はお気に入り、太めの胴を頼りなく支える細い脚はあまり好きじゃないけれど、長くてフワフワな毛が体を隠しているから都合がいい。初対面の人から言われる「何犬ですか」は、「唯一無二の存在ですね」という褒め言葉なんだよ、とママは言ってい