見出し画像

【保護者代表の謝辞】長女の卒園式にて


寒さの中にも、柔らかな春の日差しを感じられる頃となりました。昨今の厳しい状況の中、本日の卒園式の執り行いに関しましては、苦渋の決断であったと存じます。この場をお借りして、僭越ながら、園児たちの保護者を代表し、心よりお礼を申し上げます。
 

 私の娘は、二歳児の七月に、◯◯保育園へ入園いたしました。途中入園だったこともあり、見学の際には緊張しながら授業を覗いていると、私と娘に気づいたクラスのお友達が次々と駆け寄ってきて、元気に挨拶をしてくれました。そのときの嬉しそうな娘の顔は、今でもはっきりと覚えています。

 初めての保育参観では、まだ幼い子供たちが宮沢賢治の「雨にも負けず」を暗唱していて、とても驚きました。先生に習った手遊びや歌を、自慢げに披露する姿を見ていると、園での充実した生活を感じ取ることができました。

 劇の発表会の時期になると、お風呂や車の中などあらゆる所でセリフや歌を口ずさみ、ソファーの上を舞台に見立て何度も練習を重ねるので、気づけば私も台本を暗記していたほどでした。そして、昨年の運動会では、空に響き渡るような大声で組体操をする姿や、お友達にバトンを繋ごうと、歯を食いしばり必死に走る姿を見て、涙が止まりませんでした。入園したばかりの頃、保育園に行きたくないと泣きじゃくっていた娘は、卒園を目前にして「まだ保育園のお友達と一緒にいたい」と言って涙をこぼしました。心身ともに大きく成長した娘の姿に、胸が熱くなりました。
 

 立派に逞しく育った子供たちが、今日という日を迎えることができたのは、園長先生、副園長先生をはじめ、先生がたの御尽力のおかげです。教育のプロとして、そしてときには一人の温かい大人として、どんなときも、園児一人一人に目を向け、耳を傾け、愛情深く接してくださり、本当にありがとうございました。また、給食や清掃、交通整理を通して子供たちの命を必死に守ってくださった全ての方々へ、心より厚く御礼を申し上げます。

 そして、今日卒園式を迎えた年長の皆さん。皆さんに、一つだけお願いがあります。今日はウイルスのせいで、お父さんかお母さんのどちらかしか来れませんでしたよね。だからお家に帰ったら、他の家族の人に笑顔でありがとうと言ってください。お父さんお母さんは、みなさんの笑顔が大好きなんです。これから小学校に行っても、たくさん笑って、楽しく過ごしてくださいね。
 

 最後になりましたが、◯◯保育園のますますのご発展と皆様のご多幸をお祈り申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。
 

令和二年三月十四日     保護者代表    夏麦アイ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?