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感性工学デザイナー。

私は自分のことを、「感性工学デザイナー」と名乗っています。

感性工学とは、”人間の感性を中心に据えた工学”で、
感性工学デザインとは、”感性(=こころ)がよろこぶものづくり”だと捉えています。

感性工学デザインというのは、
人の微妙な心の動き、なんかいいね!と思う瞬間や、
ほっこりと心が温まる瞬間、そういう見えない心の動き、
「いいね!」を見える化することだと思っています。

例えば風鈴。
風鈴は、そよ風を音として見える化したものです。
夏の暑い時間に、たまに感じるそよ風。なんだか、心地いい。
このとき、心は喜んでいます。
このように、心が心地いいと感じるそよ風は見えないけれど、それを”見える化”したものが風鈴です。
今では夏の風物詩となり、日本の文化となっています。

ここで重要なことは、風鈴は私たちの生活の中で必ずしも「役に立つ」ものではないということです。
決して、必要なものではないかもしれません。
でも、これがあることによって日常がなんだか楽しくなる。
心踊る瞬間が増える。なんか「いいね!」と心の共感を呼ぶ

心が喜び幸せになるものは、必ずしも、目に見えて役に立ったり、便利だったり、効率の良いものではありません。
むしろ、ちょっと手間がかかったり、わずらわしかったりするものかもしれません。
ほんとはいらないんだけどなぁと言いながら、ついつい手を出してしまう。
役に立つものだけでは生きていけない、人間の不可解なところ、むしろそういうところを大切にしたい。

みんな口にはしないけど、目には見えないけど、心が喜ぶ瞬間。
それこそが感性価値であり、本質価値であると思っています。

効率や金銭ではない心のモノサシがあるはずです。
人間中心デザイン(HCD)ではなく、
感性中心デザイン(Post-HCDと名付けます)がこれからの時代に重要になってくるのではないでしょうか。

また、感性(=こころ)は喜ぶものづくりとは、生活文化をつくることだと捉えています。

心が豊かになるものの例でいうと、
・小説
・キャンドルトーク
・ミュージカル…
これらはどれも、今や人々の生活を豊かにする文化となっています。

感性工学デザイン・・・
感性(こころ)が豊かになるものづくり=生活文化の創出

このことを心に止め、
人がなかなか気に留めない、でも実はとっても重要な、
その見えない価値を「見える化」したい。

そして感動やちょっとした幸せを人々に届け、明るい未来をつくる、そんな「感性工学デザイナー」になりたいです。

そのために日常の中で、なんか面白いな、心地いいな、幸せだな、と心が喜ぶ瞬間を大切にしていきます。



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