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「幸せになるのに多くはいらない」と気づかせてくれた街、バイロンベイ

「どうして満たされないんだろう?」
「いつか心の底から幸せと感じる日は来るのかな」
そんな空虚感を胸に抱いていた20歳の頃の私。

手当たり次第いろんなことに挑戦するも、達成感を感じることはなく、常に何かが足りないと感じ、「幸せ」とは程遠い現状をどうにか変えたくて、飛び立った先はオーストラリアのバイロンベイ。

そこで過ごした日々が、その後の私の「幸福感」を大きく変えることになった……。

少しの不安と大きな楽しみを胸にいざ

初めてのひとり海外。成田空港で心配そうに見送ってくれる母とは裏腹に、これから始まる未知の生活にワクワクしていた。

夜の便で寝ている間にゴールドコースト空港に着き、車に揺られること1時間。お世話になるホストファミリーの家に着いた。

大丈夫、疲れてない?と気遣ってくれるホストマザー
特に私が来たことを気にも留めていないホストファザー
日本の歌歌えるよ!聴いて聴いて!と無邪気なキッズたち

それぞれ自由に過ごす人たちを目の前にして少し戸惑いつつも、心が軽くなるのを感じた。

ただまだ英語はほとんど話せなかったこともあり、次から次にくる質問にうまく答えられず、一人で散歩に出かけた。

海沿いを歩いているとき、「あ、この街すごく好きになりそう」とビビッときたのを覚えている。

自分にとっての幸せな時間とは?

学校帰りにほぼ毎日行っていたTHE PASS

サーフィンが有名な街だけあって、時間があるときはひたすらビーチでのんびりした。

波に乗る人、ビーチでサーファーを眺めている人、読書している人、日光浴しながら昼寝している人、砂まみれになりながら走る子どもたち、みんなそれぞれが「自分にとっての幸せな時間」を過ごしていた。

誰にどう思われるか、ではなく、自分がどうしたいか、が行動基準な人々はとても魅力的に見えた。

"Who cares?"  誰が気にするの?あなたがいいならそれでいいじゃない!
"No worries!!"  心配ないさ。なんとかなるって。気にするな。

いろんなところで聞くこの2つの言葉は、人目を気にして、先の事ばかり心配していた私の心を少しずつ溶かすように、やわらかくしてくれた。

自然に癒される日々

通学路のお気に入りの場所

もちろん、初めての海外生活は楽しいことばかりではなかった。

うまく英語が話せなくてもどかしい思いをしたり、なかなか友だちができず孤独な気持ちを味わったり、文化の違いに頭を悩ませたり。

でも、通学途中に自転車で通る湖のほとりや、時間ごとに表情を変える空の姿を見ていると、嫌なことは自然とスーッと消えていった。

夕焼けに真っ赤に染まる空

特に空を見上げることは習慣になった。

東京にいた頃は、いつ日が昇っていつ日が沈むか、なんて気にしたこともなかったのに、毎日飽きずに空を眺めた。

毎回変わる空の表情に楽しませてもらって、みんなを包み込むような大きな空を見上げるたびに、自分の悩みがちっぽけに感じて、いつしか「生きているだけで幸せだなぁ」と感じるようにさえなった。

本当の幸せは身近なところに

みんなで作った手巻き寿司

留学中は、お金がなくてコスメや洋服なんてほぼ買えなかったし、持ち物もかなり絞って持っていったので、オシャレもあまり出来なかった。

それでも、暑い日には水着で海に飛び込んだり、友だちと一緒に手巻き寿司パーティーをしたり、浜辺でポテチをポリポリ食べながら、たわいもない話をしたり、そんな時間が最高に幸せだった。

東京にいる時は、何かを達成したり、仕事で成功したり、恋愛が上手くいったり「〜すればきっと幸せになるはず」と信じて疑わなかった。

でもバイロンベイでの日々は、幸せになるために必要なことはあまり多くないということに気づかせてくれた。

「シンプルに生きる。」これが意外とむずかしい。

色々背負って幸せセンサーが鈍っているな、と感じるとき、今でも私は「手放す」ために、ふらっと旅に出るのだ。

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