見出し画像

奈良で偶然、紅天女の里のモデル地に出会う

天河大辨財天社へ向かう。奈良出身の友人から「呼ばれた人しか行けない神社」と聞き、「試したい、わたしが呼ばれてるか否か……!」とたぎってしまった。日本三大霊場である高野、吉野、熊野を結んだ三角形の中心に位置するパワースポットらしい。

神社に行くバスは1日3本くらいしかない。バス発車まで1時間ほど余裕があったので、飛鳥に立ち寄り高松塚古墳へ向かう。

小学校の同級生のお兄ちゃんの名前が飛鳥だったなと、飛鳥の文字を見るたび思い出す

古墳内の壁画が見れる高松塚壁画館では、古墳写真コンテスト的なニッチな展示がなされていた。受賞作を眺めていたら、同じく観光客らしきおじいさんに「これ見て、50年前に自宅から撮ったんやって」と話しかけられる。

そこには白黒の高松塚古墳の写真があった。自宅からこれが撮れるってどういう立地なんだ。そして白黒なこと以外、今と何ら変わらない古墳の姿。飛鳥時代と比べたら50年前なんて瞬きだもの。どうってことないか。

今日の高松塚古墳

古墳近辺で、草刈機のブイーンというモーター音が聞こえる。飛鳥時代の人がこの音を聞いたら何だと思うんだろうか。「モーター音を鬼だと勘違いしたんだね」というオチのドラえもんのお話がありそう。

バスに揺られ、例の神社へ向かう。乗車時間は1時間、通り過ぎた駅は40以上。山々に囲まれた景色を眺めながら、「紅天女の里みたいだな」とガラスの仮面に思いを馳せる。

そういえば紅天女の里のモデル地はどこなんだろうと調べたら、まさかの目的地だった。この旅一番テンションが上がった。

紅天女の里……!

さすがに梅は咲いていなかったけど、マヤと亜弓さんが水のエチュードをしたのであろう川を眺め大満足。パワースポットにあやかろうと思っていたのに、予期せず聖地巡礼になってしまった。

亜弓さんが人魚姫を、マヤが水神を演じたであろう川

神社には二人組がいて、一人は感極まって泣いていた。この人は一人で来ていたとしても同じ感じで泣くのだろうか、と意地の悪いことを考える。

帰りの車中、思い煩っていた出来事に対して「わたしを蔑ろにするなんてバカな人ね」メンタルに切り替わっている自分に気付く。これがパワースポットの効果……?

帰りの電車からは夕日がきれいに見えた。本を閉じて、窓から夕日を眺める。東京で電車から夕日を眺めたことがあっただろうか。土屋アンナさんが「満員電車で死んだ目になるのは仕方ないよ。綺麗なものなんて一つもないじゃん」的なことをおっしゃっていたが、本当にそうなのかもしれない。

宿の最寄りの大和西大寺駅では、駅中でサクッとクラフトビールが飲める。とても良い駅。初日は鹿すらいないなんてひどいこと言ってごめんな。

奈良県の最低賃金

今日は宿でタコパをやるということで、ビール一杯引っ掛けて早々に戻る。古民家サブスクの先輩方からいろいろ教わり大変勉強になった。

宿泊者の機械設計をやっている人は宿の不調を直したり、出会った宿泊者と新しい何かを作ろうと試みていたりしているらしい。そうやって役に立てることはきっとすごくうれしいことだろうなと思う。わたしは飲み屋で仕入れた小ネタを披露するくらいしかできないが、それもまた能力を生かすということなのだろうか。そうであればいいな。

家守さんは中学生からの西城秀樹ファン。今年はデビュー50周年で、秀樹はもう亡くなったけど、コンサートではマイクを立て、バンドメンバーが演奏をしたのだそう。今なお愛される西城秀樹。悪く言う人は本当にいないらしい。死して人の真価がわかる。秀樹はすてき。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?