落っこちる
はじめまして。の次は、
やはり退社を決意した時のことを書いてみようと思います。
私は、テレビ朝日が大好きです。
独立して良かったと言えるのは、
今でもテレビ朝日でお仕事ができているからです。
なんの取り柄もない大学生だった私が、
今こうして好きなように生きていられるのは、
様々なチャンスを与えてくれた会社のおかげ…
それだけは、絶対に忘れてはいけないと思っています。
10年間働かせてもらいましたが、
毎日生放送の本番があるという生活の中で、
たくさんの経験をすることができました。
体力的に辛いことはあっても、
精神的に辛いことはなかったと言いたいです。
とにかく、仕事が、会社が、好きでした。
ただ、入社8年目を迎えた頃から、
ぼんやりと、いつまでもここにいていいのだろうかと、
考えるようになっていました。
朝日新聞デジタル「&TRAVEL」の中で、
【わたしには旅をさせよ】という連載をしていますが、
その第一回で、ベトナムを旅をして、
退社を決意した時の気持ちを書いています。
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2018年、夏。
私は、私に飽きていた。
いつまでもここにいていいの?
もちろん誇りを持って仕事をしていたつもりだが、
その頃は、頑張りかたもわからなくなってしまって、
ずっと同じ場所で、足踏みしているような感覚だった。
恵まれていることはわかっていたけど、
何かを変えたかった。
変えなければいけないと思っていた。
そんな時、喧騒と混沌のすぐそばで、
あくまでマイペースに暮らしている人たちに出会い、
私にも、できそうな気がしてきた。
世界はこんなに広いのに。
わたしの人生は、わたしだけのものなのに。
何を気にしていたんだろう。
何を悩んでいたんだろう。
10年前、想像もできなかった世界に立っているのだから、
10年後、想像もできない自分になっていたい。
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旅に出ると、世界の広さに気づきます。
新しい価値観に出会ったりして、
自分の凝り固まった考えが、
バカバカしく、恥ずかしく思えてくることがあります。
私は、このとき「落ちた」のです。
恋に落ちるように、ストンと、自然に。
自分で選んだというより、勝手にそうなったような感覚でした。
いったん落ちてしまったら、とても心地が良くて、
全てがうまくいくような気がしてきます。
不思議ですね。
たまに、会社を辞めようか悩んでいるという人の話を聞きますが、
悩んでいるうちは、辞めない方が良い気がします。
とことん悩んだあとに、
ストンと落ちて、心が決まったら、動き出せば良いと思うんです。
私の場合は、家族にも友達にも上司にも相談せず、
このベトナムの旅で、落っこちて、心が決まりました。
ただ、会社を辞めるなんて生まれて初めてですから、
どうしたら良いのかわかりません。
このとき、入社10年の区切りまで、残り9ヶ月…
とにかく時間をかけて、誠意をもって、
自分の気持ちを伝えていくしかないと思いました。
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