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<日記>Jポップを聞かない私が 米津玄師にハマった理由

Jポップの何が嫌かって、あのJポップの独特のサウンドです。

やけにチープで軽くて、カラオケで歌われるのをもう見越したような感じがする、ビート。日本文化は何をやらせても上手いし、量より質という感じがするし、歴史はあるのに、ポップスだけはいただけません。

誰が何を歌ったって、あの「Jポップサウンド」の音になってしまうのは、どうしてでしょう。この長年の問いに答えはまだ見つかりません。

ただ、ずっとずっと前に、バイオリニストの葉加瀬太郎と若い頃の宇多田ヒカルが話をしていた何かの折に、同じことを言っていました。「あのJポップのサウンドは何だろうね」って。で、あ!やっぱり感じてる人は感じているんだ!と思ったものです。

でも結局、その後宇多田ヒカルだって、同じようなサウンドを作りながら、時代のヒットチャートを作り上げていきました。とても残念。だから、こちら側の人間には分からない大人の事情なんかがあるのかもしれません。日本で売れるようになるのには、あのサウンドがないとダメなのかも。

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2003年日本から離れると、私は日本の音楽もドラマも映画も一切見なくなりました。アメリカのばっかり見たり聞いたりしてました。

で、8年経って日本に帰ってきたら、流行っている歌はなぜかアメリカポップスで10年前にはやっていた様な曲調。Jポップサウンドも未だに蔓延している。ドラマは胡散臭いし、芝居は下手なのが多いし、一度アメリカのエンタメに慣れてしまうとどうも日本物はダメ、苦手意識があったのです。

そんな私が、年末こんな宿題をいただきました。

「2018年のヒットチャートランキングを扱うラジオ番組を聞いてレビュー」

ゆるいペースで、ラジオレビューのお仕事をさせてもらってるのですが、そこでついに来ちゃったわけです。長年避けていたJポップを聞くという仕事。

わざわざ自分から電波を合わせては聞かないけど、やらなければならないのなら仕方ない。でも、今この時代にどんな歌が流行っているのかちょっと気になったところもありました。

私にとって歌手が2000年以降に出てきた人であれば、全く名前も顔もその人の流れもチンプンカンプンという事になりますので、レビューが書けるかもちょっと不安でした。2018年のヒットチャートも、聞いてみると9割が知らない人たちでした。

で最後にランキング1位が流れてきたわけです。短調の切ない曲です。

期待しながらラジオを聞いていなかったので、DJが一回だけ言った歌手名も曲名も全く頭に残りませんでした。ただ、ああこの曲はいいなって思いました。

私はもともと短調の曲が好きというのもあって、短調の曲にはちょっとだけえこひいきします。それに、コード変化もユニークだし、歌詞もいいし、この曲だけは好感を持てました。Jポップサウンドもそこまで強くないし。

と、ラジオレビューにも書きました。

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その後、数日たって、県外の友達がラインを送ってきました。「米津玄師にすっかりハマっている。彼、徳島出身だって、いいなあ」と言ってきました。「よねづげんし」?

その時は、へえ、私の地元から歌手が出たんだ、珍しい。と思ったくらいでした。軽い気持ちでこの「よねづげんし」がどんな人なのか調べてみると、一番に出て来たのは、何と、あのラジオで聞いた切ない曲!

「lemon」、これはあのラジオで2018年の1位になってた曲だという事にようやく気づきました。

私はやっと、事の重大さに気づいたのです。何も出てこない田舎の徳島から、なんとこんな旬な存在がやっと出てきている。そして、私、数日前ラジオで聞いてJポップだけど「この曲いいな」って思っていた!嗚呼、なんかすごい。

いつもは日本文化の流れに全くついていっていない私が、初めて波に乗れたような瞬間でした。一つ一つの点が結ばれて、一つの線になっていきます。

彼の曲をもう少し掘り下げていってみると、短調の曲多し、歌詞良し、雰囲気良し、物語性もある。

ついつい、彼の曲をいくつかダウンロードしてしまいました。段々と米津ワールドにハマっていっている自分。こんなに日本人の歌手にのめりこむのは、高校時代にハマった稲葉浩志以来です。

これまでずっと、アメリカやヨーロッパの歌手、俳優に入れ込んできた歴史のある私には、とても新鮮で、日本人の男性もいいもんだなと思わせてくれたのが、米津くんでした。

知れば知るほどいい男ですが、彼も例に漏れず、私がハマるタイプだったわけが、後で分かります。

(つづく)


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