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Stars In Billboard,カンサノ

 横浜音祭り2022特別公演「ライブ・ホップ!」Billboard Live YOKOHAMA、Kan Sanoの1stステージを鑑賞した。

当日は台風接近で荒天。会場付近は小雨模様。
移動と万が一のことを考慮に入れ
華やかさよりも動きやすさを優先。
ANTIQUAコラボ「ピアノ弾きのアロハシャツ」を
デザインシャツ風で装いのメインに。
頗るお洒落な人が多かった。
わずか3ヶ月前に観たWWW X公演とは
まったく異なる趣に期待が高まる。

 珠玉のアコースティックバンドセット。 
 響き豊かなウッドベース、緩急心地よいドラムのロッド・ブラシさばき、絶妙なサックス&フルートの粋。Kan Sanoの奏でるスタインウェイ、そしてボーカルと交わりながらすべてが際立ち、溶け合う。時に茶目っ気あるアイコンタクトが紡ぐ、その場ならではの音たち。
 
 ジャズやボサノバの色濃いアレンジは、この日のために練られた特別なBillboard仕様。6月のShibuya WWW X「Tokyo State Of Mind」リリースライブも観たのだが、まったくの別物。勿論、アルバムとも。
 あの曲がこういう表情に、という新鮮さと味わい深さを堪能した。 

 観客のうち挙手でざっと3割ほどが「初カンサノ」、曲を聴くのもはじめてといった人もいたようだが、会場に満ちる雰囲気は極めてよかった。
 比較的難しいクラップや「Magic!」の囁きレスポンスにおける会場の一体感は、音好きが集まっていることを如実に伝えてくれる。
 
 アンコール、手を振って盛り上がり最高潮の「Natsume」から、一転しっとりとした二人だけの「おやすみ」。ラストで本来ならば「おやすみ」を二度繰り返す部分がピアノプレイに置き換わり、終わり際にそっと小さく「おやすみ」と囁いた。
 まるですっかり深い夜の中にいるような、錯覚。終わってしまうのが惜しい、このまま永遠に続けばいいと思いながら、同時に最高の幕引きでもあることはよくわかっているのだ。

 当日はサービスエリア自由席ながら最前列で、Kan Sanoのプレイ、ピアノに躍る指先までよく見える良席。すっかり魅せられて、まるであっという間の夢だった。
 お耳の贅沢。 
 

【バンド】
vo.&pf. Kan Sano(Steinway & Sons)
S-sax.,A-sax&fl.石田玄紀
Ba. wb.&eb. 森川祐樹
Ds. 上原俊亮(with brush,rods)

【セットリスト】
Play Date
My Girl
Ash Brown
C'est la vie
Tokyo State Of Mind
Baby On The Moon
逃飛行レコード(98bpm)
Magic!
いかれたBaby
Stars In Your Eyes
[encore]
Natsume 
おやすみ

 Billboardはお耳だけでなく、お口も喜ばせてくれる。フード&ドリンク。

事前に頼んだワンコインミールは新作。
ミートパイはすべてが程良く大変美味。
横浜音祭り限定カクテルをノンアルコールで。
「yokohama Blue」
生搾りグレープフルーツにミントやライム
見た目も味も爽やかな一杯。
口当たり軽いものが欲しくて、ティラミスを。
ビスコッティとベリーのコンフィチュール
さらに旬の葡萄が添えられて。
リキュールなしのやさしいレシピでした。
「Flavor」にちなんで、オリジナルカクテルを。「ディストーション」
当公演用ではなくBillboardの通常メニュー。
赤を好むカンサノにぴったり。 
こちらもノンアルコール、美味でした。
フロアスタッフに「ピアノ弾き」を褒められた。Kan Sanoさんのコラボもので、と明かす。
当日の演者衣装がすべてANTIQUAだったと知り
なんだかちょっとうれしい。

(タイトル及び文中敬称略)

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」