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善意とデマとド素人(1)

見方によっては穏やかならざるタイトリングだなとは思うが、ようやく重い腰をあげたのだから、これくらいは。

BIA-ALCL、「ブレスト・ インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫」という疾患が広く知られるようになったのは、国内初症例の報道と全世界回収がやはりきっかけだろうと思う。

ブレストインプラント──つまり手術で乳房を失った人や、豊胸手術で使われる、シリコンの詰め物。
そのインプラントを入れた人に稀に見られるリンパ腫が、BIA-ALCLだ。そのうち、アラガン社のテクスチャードインプラントでは、発症率が高かった。

 ◇ ◇ ◇

EU圏内では、ANSMの再認可が得られず販売が出来なくなった。そして、カナダへと波及。

やがて、国内症例第一号が報告される。2019年6月7日のことだ。

そして、2019年7月24日水曜日から25日木曜日にかけて。

その全世界回収が決定されたとき、日本は深夜だった。ド深夜、スマートフォンのTwitter、わたしはその流れを目撃していた。

FDAがEUに追随するかたちで、米国内自主回収を要請し、

全世界リコールへ。 

まとめたソースはICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合:ずっとこの件を取材していた)とFDA(アメリカ食品医薬品局)、さらにNBC、ワシントンポストとABCだ。

この時のツイートは多い。なぜか。
深夜に飛び込んできたニュース、新聞は間に合わないだろう。
ではテレビは、ラジオは?いや、詳報はおそらくまだ先だ。

何が先にくるか。
ネットニュースと、SNSだ。

確かな危機感があった。
デマがくる。

 
(続く)

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」