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Beginners

何故か仕事が出来ると自負している人ほど、新人や後進の心を無闇やたらにへし折りたがるよね。自らのフィールドでも、時にそれ以外でもね。

鼻っ柱を挫くためとか、厳しさをわからせるためとか、適当な理由をくっつけてはいるけれど、単純に負の連鎖に乗っかっただけじゃないかなあ。

自分もそうされたから、なんていうのは都合の良い言い訳に過ぎない。

誰も後に続かなければ意味をなさないし、厳しくされたから必ず有能であるとも限らない。それに新しく人を増やすことには相応のコストがかかり、教育するにも維持するにも相当なコストがかかる。

くだらないイエスマンや嘘吐きを作り上げて、自分に優しい環境を維持することは、クオリティとは関係ない。むしろ害かも知れないとは思わないのだろうか。

他人を育てるのも立派な「仕事のうち」で、鞭ばかり振るう人間なんてろくなもんじゃないと思うんだ。スキルがないから鞭にすぐ頼る。余裕がなくて思考放棄しているから、他人が出来ないことを許容出来ない。

何回言っても伝わらないならば、伝える側が言葉や表現を工夫すればいい。ハードルが高い内容なら、スロープや階段、手すりを用意すればいい。最初から誰でも経験者の域に到達出来るならば、教える側、つまりコストの高いベテランなど不要なはずだ。
経験や知識が真にあるからこそ出来ることがある。
教えることは教える側もレベルアップさせる、これはずっと前から言われてきたこと。

新人や後進の心をへし折りたがる人は、高確率で「何故か仕事が出来ると勘違いしている」だけの人。どれほど時を重ねても、教える人としてはビギナー。
相手の足りなさを見つけて、同時に出来る部分も認める。そして手を差し伸べる。甘やかさず、しかし斬り捨てない。「そうするだけの必要があるのか」を常に考え検証し、自らを振り返って謙虚さを心掛ける。
難しいことだけれど、それは何にでも必要なことだと思うんだ。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」