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生やせ、生きろ
薄々気配を感じていた事態がやってきて、またわたしは大きな波に揺られる。
もう何度目だろう。
船酔いすらろくにしなくなった。
優しさがあれば、優しく生きられたらそれでいい。
でも優しくあるためには、強くあらねばならない。
守るべきものを守り、道を進んでいくために。
そのために、時に角を生やし、時には牙も生やし、NOを突きつけなければならないこともある。砂糖菓子よりもメガホンやマシンガンを取らなければならないこともある。
もう、何度目だろう。
ただただ平穏でいたい。
高望みをしたいわけじゃない。それが間違いであって、どこかを目指せとでも言うのだろうか。
今日、また新たな壁が立ちはだかった。
その壁がこちらに動いてきて、やがて押し潰そうとするならば、物騒だろうが爆薬でも何でも使って道を拓きたい。
ちっぽけなわたしに、何が出来るだろう。
手段は、目指す場所は、コネクションは、標的は、懐柔すべきは何だ。
どの本が使える?どのネットワークにコネクトできる?
考えろ、生やせ、生きる。
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」