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never thought

一年の疲れがここにきて表出したのか、気が抜けたからか、ここ数日は夜に微熱を出してしまう。
たいしたものではないのだけれど、やはりどきりとしてしまうのだ。

乳がんの全摘をするまで、夜の微熱は「いつの間にかそうなった日常」だった。長く続いた。

たいしたことはないのだろう。
がんはすべて取れたはずだ。
そもそもDCISだから。
体力が落ちているのもある。
寒いから体調を崩したのかも知れない。

わかっているのに、頭を掠める。
ああ、夜毎こんな風に寒気と頭痛がやってきたなあ、と。
そしてほんの僅かに「これは大丈夫なんだろうか」とも。

がんになる前──いや、がんとわかる前とその後では、明らかに違うパーツが心に増えている。
それを殊更に重苦しく捉える性格ではなくても、ちくりと刺激されるのを感じる。
これが続くのだ、多分ずっと。

そしてこの微熱の話は、きっと周囲のほうが重く捉えてしまう。
だから、今はそっとしまおう。
ただ静かに休むために。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」