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新型コロナ感染記

 持病がある上に周囲にも病人が多いので、ずっと感染対策をばっちり継続していたのにもかかわらず、いよいよCovid-19に感染してしまった。
 マスクを外したのは喫食時を除いてはほんの僅かだったが、そういえば人混みの熱気で暑くなり顔を露出したのを思い出した。短い時間だったが確かに口も開けたし呼吸もしたので、それが原因ならもう致し方ない。

 何株なのかはわからない、しかしなかなかしんどい。ワクチンを毎回接種していたから重症化は抑えられていると期待でき、それでこれだとするならばなかなか強いなと思う。インフルエンザのかなり嫌なやつ、といった感がある。

 発症0日目、朝起き抜けから寒気と微熱。喉が痛い。前日僅かに咳が出ていたので、これはなんらかの感冒症状だなと思い当たり仕事を休む。
 昼までは微熱で推移。備蓄ののど飴やうがい薬で対処しつつ、昼に38.5度まで体温が上昇したので内科(発熱外来)を受診した。あれよあれよという間に陽性に。
 新型コロナ治療薬は取り扱い改正でかなり高額になっている。これまでの医療費総額を思えばポイッと支払える金額ではあるが、有症状期間短縮か。うーん。ここはかかりつけ医の提案に素直に従って、解熱鎮痛薬のロキソニンのみを頓服で処方していただく。
 
 1日目、体温はサラッと39度台半ばまで上昇。幸いにも食べることは出来たので、やわらかいお粥を食べて薬を飲む。冴え冴えとした鮮やかな効き目でその名を馳せるやり手のロキソニンだが、熱は38度台で推移。ロキソニンをもってしてもこれか。
 増していく喉の痛みを考えて、A○azonでシュガーレスののど飴を発注。マヌカハニーのものと、CPC配合のメディカルトローチ。さらに濡れマスクと、常備している即席粉末オニオンスープも購入。
 自宅にドリンクバーのごとく様々な飲み物があるので、温かいドリンクには困らないのが良かった。カモミールティーにレモン&ジンジャーをブレンドして、エルダーフラワーキャンディスを数粒落として飲んだ。爽やかで飲みやすい。

 2日目、喉と鼻の症状がえげつない。とにかく痛い。ロキソニンは痛みにはよく効いてくれているので頓服。通販で届いたメディカルトローチがとても良かったので、すかさず複数を追加で発注した。どうにも心がときめかない大人買いである。
 食事はエナジーゼリーとうどんとお粥でしのぐ。あたたかいほうが飲み込むのに痛みを感じない。徐々に味覚が低下、午後にはかなり顕著な低下をおぼえた。
 甘味を感じなくなるギムネマシルベスタ茶というものがあるが、ちょうどあれを飲んだ後のようだ。鼻も利かないので、ほかの流行性感冒と同様に嗅覚障害の影響も強いのだろう。味蕾にあまり影響がなければよいが。

 3日目、熱は38度台と37度台をいったりきたり。鼻症状がほんの僅か緩和されたが、喉の痛みは引き続き。ありがたいことに、事情を知った人からの差し入れが玄関先に次々と届く。籠城のようだ。

冷蔵庫も常温保管もみっしり

 味覚は低下していたが、件のオニオンスープだけは味がはっきりとわかる。かなりお安かったのに、きみいいやつだな。マグカップに少量の熱湯で溶いたあと生卵を入れ、さらに熱湯を足してかきまぜれば手間なく「かきたまオニオンスープ」にもなる。寒気がなくなり、回復の兆しを感じた。

 4日目。相変わらず味覚の鈍麻。熱は上がり下がりを繰り返しながら、徐々に落ち着いてきた。鼻はぐずぐずする。喉の痛みが少し和らいできた。
 身体のだるさがある。筋肉落ちたな、とも感じる。ゆっくりと軽いストレッチをしてみるが、負担がありそうなのでやめておく。かわりに洗面台とIHをピカピカに。
 いただいたおじややお粥の類いが本当に役立った。鮭そぼろなどトッピングになるものもたくさんいただいていたので、栄養面でも助けられた。感謝のメッセージを再び送りつつ、この日からほぼ通常食へ。

 5日目。熱はほぼ下がった。喉も喋りにはあまり影響しないように。声が商売道具のひとつでもあるので良かった。
 行動制限の推奨期間がこの日で終わり。とはいえ症状が少し残ったので、無理はしない方向で調整していただいた。
 
 5類に変更されたとはいえ、罹ってみるとやはりただの風邪とはかなり違うという実感がある。しばらくは咳や違和感など残るだろう。
 何事も経験と人はいうけれど、やはり病気は別。どのような病であれ、罹らないに越したことはない。既に罹ってしまった側としては、この経験を差し入れなどで誰かつらい人のために活かせたらと思っている。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」