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showをもっと

 先日eggmanで行われたshowmoreとBlue Vintageによるツーマンライブの配信アーカイブを繰り返し観ている。

 showmoreのセットリストは

red 
1mm
恋をした(cover)
baby  
37℃
circus(with special dancer)
I love you

 大変素晴らしかった。
 showmoreの音楽には、滑らかなのにどこかざらりとした手触りと体温がある。理論武装や夢物語ではなく、細部までを綺麗に整えきった作り物の美でもない。時に矛盾を孕み時には妖しく光るような、機微に満ちた「生きること」の縮図。歌詞、vo.根津まなみの魂から絶え間なく溢れ出るような歌声、key.井上惇志の卓越したプレイ、すべてが麗しく生々しい。
 そこがいい。理屈では語りきれないもの、決め付けられないものの中にこそある豊穣を、しっかりしっとりと湛えた音楽だと思うのだ。

 色濃く香るジャズ、R&Bやヒップホップのエッセンス、巧みなアレンジ。すべてが極めてお洒落でありながら、エモーショナルなことこの上ないステージ。SIRUPの「SWIM」をさらりとマッシュアップする小粋さや、初期Chara「恋をした」のソウルフルなカバーも唸る。
 特にこの日4曲目の「baby」は、白眉だった。この楽曲自体が名曲である上に、演奏の帯びる熱量があまりに美しかったのだ。
 サプライズダンサーを加えたスペシャル仕様の「circus」からMCを挟んで「I love you」の流れは胸を打つ。

 ああもっと見せて、ショーをもっと。そんな、短くも至福のステージ。ご馳走様でした。


なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」