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継がれるもの

フジファブリック「若者のすべて」、藤井風さんのカバーからまた本家を聴いていた。


藤井風さんのカバーは、まるで花火が打ち上がるようなラスサビ前のピアノアレンジがとても素晴らしい。衒いのないヴォーカルも本家をリスペクトしているようで、この世代がこうやって愛してくれることにとても嬉しくなった。

様々なアーティストが紹介していくことで、元々のアーティストやその演奏を知る人が増えていく。
根を辿るように思いや愛が繋がり、世代を遥か超えていく。失われたはずのものも時の中で生き続ける。

カバーの美しい側面がそこにある。

志村さんの若干不安定な歌声がタイトルにぴったりで、その歌詞とともに青春そのものを体現しているかのようなこの曲。
いまのフジファブリックが奏で、またたくさんのアーティストに愛されている。名曲だと心から思う。年齢を重ねるごとに切なく響くのに、志村さんはもういない。

フジファブリックのファンではない人たちにも広く広く広がって、また鮭の遡上のように源流へ届くといい。

今年の花火はもう上がることがあるのかどうか、わからない。
でも、心の中で花火が上がるとき、この曲を思い出す人がもっと増えたなら。そう思った。

 

 

この曲、歌ってみると意外に難しいのですよ。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」