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山崎まさよし ONE KNIGHT STAND TOUR 2023

 水戸ライブの件ですっかり渦中の人となった山崎まさよしの、あたたかく素晴らしい弾き語りライブを観た。
 会場はメガネのイタガキ文化ホール伊勢崎の大ホール。

メガネマークかわいい
よく見ると上部の硝子が素晴らしい作品だ
この日は晩秋らしい天気だった
外の雰囲気もよい

 この日は代表曲のひとつを皮切りに、キャリア初期の楽曲をフィーチャーしたセットリスト。
 一曲目、声が詰まり気味かと思いきや、慌てて入れたコンタクトが上手くいかず涙が出て止まらないという。会場は大笑い、一気にリラックスしたムードに。
 メガネに縁のある会場だけに、というわけではないが眼鏡をかけた公演となった。
 「滑って桃屋(のCMのよう)になるんですよ」

 老化や衰えを感じるようになり脳ドックを受けた話では、力を入れて血圧が上がることでの不安を吐露する一幕も。この日は初期の作品中心のため、キーも高い。
 「何言ったって言い訳になっちゃいますけどね」
 自嘲する言葉のトーンはやわらかい。検査結果が頗る良かったとのことだから、少し安心できたのだろうか。
 さらに後半、ユーモアも交えつつ長年交流があったKANに触れた。ずっと背中を追いかけてきたという、大きな存在だった人。彼を語る姿と、どこか吹っ切れたようにも見える伸びやかな歌唱に、先達が最期に照らした光の強さを想った。

 例の騒動からライブを迷っている人に、大丈夫だよとそっと言ってあげたい。
 「お客様に甘えてしまってました」「ご迷惑ご心配お掛けしました」とMCで触れながら、ひとつひとつを丁寧に。曲が終わるごとにオーディエンスの拍手が尾を引いて、なかなか鳴り止まない。件の水戸から来たというファンたちから、和やかな声援も。
 アンコールも含めてたっぷりとその音楽を満喫した。

ハンドタオルは今治、シンプルで上質そう
会場限定のキーホルダーも記念に購入した


 

 メガネのイタガキ文化ホール伊勢崎はアートに満ちていた。そこかしこに作品がある。

福沢一郎の作品群
伊藤正義「波動に舞うⅡ」
館内装飾も美しい

 音楽を楽しみながら、美術も鑑賞できる場所。群馬県出身で日本にシュールレアリスムをもたらした福沢一郎の作品を中心に、待ち時間も豊かに過ごすことができる。案内フォントのレトロな風情もまたいい。
 これから同館に行く予定のある向きは、少しばかり余裕を持ってあたりを見回してみては。

(文中敬称略)

 
 
【ラッキーこぼれ話】

 ライブ前、LACCO TOWERの直筆サインが入った自販機を見つけて撮影。
 伊勢崎が地元だものなあ。「未来前夜」好きなんだよな。

 と思っていたら、終演後バンドが手掛けるカフェIROCKSBASEがあいてる!?
 しかも、まさかのご本人が店内に。ラッ子(ラッコファン)の方々におすすめしていただいて中へ。これはもうまったく予想していなかったのでびっくり。
 柚子茶とどら焼き、珈琲虎焼を購入した。

美味でした

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」