ガンダムと種
先日の話。映画館へ。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOMという、ひとりならば絶対なさそうなチョイス。
20年前に放映されたテレビシリーズの後継作品。現実に悲惨な戦争が起きていたり、予備知識を入れずの鑑賞ということで一抹の不安はあったものの、流石のクオリティでしっかり堪能。
長く支持されるものの軸の強さ、愛される作品の力をみた。基礎教養と呼ばれるシリーズだけはある。20年を経たキャラクターデザインの印象はそのままに、今に連れてくるCGの美麗さよ。
その歴史あるシリーズで最高の興行収入らしい。
脚本がいいし、一見サービスショット的なシーンも絶妙な表情で意味があったりする。後半に、女性としてはしんどい場面あり。バトル映画と見せておいて、時々哲学を投げてくる。
前半と変わって後半に顕著なエモ成分も、やけにドストレートな台詞も、そこに至るまでのあれこれ相反するシビアな世界観の中では逆に「非常事態時は、生存本能的に絆がクローズアップされたりするしだんだん感情がエスカレートしたりも」「そりゃそうよな」と考えつつ。
しかし前半後半で毛色が違っていたのは、実のところ、脚本家だった監督の奥様が亡くなられていたとのこと。なんという・・・・・・。つまり、遺作であり愛の共同作業ということなのか。
西川貴教さんと小室さんによるテーマが、映像にピタッと合う。CG表現とリズムのマリアージュ、壮大なスケールの歌唱がしっくりくる。エンディングのSee-Sawが情緒を揺らしてとてもいい。
チケットを購入する際に、某氏のメンバーズカードが期限を大きく過ぎていて退会扱いだった。長い映像を見られない状況が年単位で続いていたところ、やっとここまできたなあとなんだかじーんとしてしまった。
ひとりだけこの1年半くらいでちゃっかり貯まっててごめんよーとも思ったものの、その前はわたしも作り直したのだった。手術もコロナ禍もあったし。
真新しいカードを作り直す、ほんとうにそれだけでなんかいい。カードを作り直した、ということはまた映画を観たいということ。次への種だ。
機会をくれてありがとう、ガンダム。
写真は入場者特典。
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」