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些細なことで裏返る
ちょっとだるい、とか。
ちょっと微熱が続く、とか。
そんな体調の些細な変化に、敏感になった。
サバイバーになってから。
勿論、もうがんは切り取られて「いない」。
これはちょっと語弊があって、がん細胞自体は健康な人の体内でも毎日生まれ、そして淘汰されている。
ちょっとした体調の変化は、ちょっとした体調の変化に過ぎないのか?
そんな方向にまったく思考がむかない、はずはない。
やっぱり、少しは考えたりもする。考えながら、やり過ごす。見方を変えたり、数字を引っ張り出したり。
これは別に、がんに限らないと思う。
巷で話題の感染症だってそうだ。
勿論、対策はしている。しかし対策以外の面、やり過ごし方も、そこそこ上手くなったのではないかと考えている。
人の気分なんて曖昧なものは、些細なことで裏返る可能性がある。それを知っている。
だから、裏返らないように、掴んだものを加工して杖にする。それと同時に、早めに回復するために、思い切って休む。または、少しペースを落とす。
杖を手にして周りを見回しながら、お気に入りのBGMなどかけたりもする。時に勇ましく、時には優しく、劇伴のように。
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」