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ツイードと秋風

久々にツイードのワンピースを購入した。

思えば、乳がん手術前はあまりワンピースを着なかったような気がする。いや、術後もシャツなど前開きの洋服がとても重宝したから、これは本当に久々と言っていいだろう。

まだ再建中だけれど、服を纏っていれば見た目にはわからない。ワンピースのシルエットも、しっくりと馴染む。主治医や関わってくださった方々の腕の賜物だ。

再建するしない、また術式は、人それぞれの価値観やライフスタイルによって選択がわかれる。どの選択も尊重されるべきものだと思う。

そしてわたしはわたしの選択を、今は、シンプルにいいなと思う。

勿論、稀な有害事象であるBIA-ALCLの問題から世界全回収になったテクスチャードインプラントが我が身に入っていることは、忘れたりはしていない。常に頭にある。
兆候が出たりしないか、しっかりと見ていくつもりでいる。気持ちの備えはあるし、何ら過信もしてはいない。

ツイードを楽しむわたしも、思考を巡らせるわたしも、どちらも等しくわたしだ。

秋風によく似合うツイードの裾が揺れるのは、楽しい。
色々考えることはあるけれど、今を楽しむことも大切なことだろう。そんな風にふわりと時を過ごすのも、いいのではないかと思うのだ。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」