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Oral history 孫家溝②

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王貽讓ワンタイラン老人(87歳・男)の記憶 孫家溝スンジャーゴウ
私は1945年に兵役について、日本人と闘ったことがあるが、時期が遅かったので回数は少ない。近隣の村人で、当時日本人に捉まって石門焉に連行されて殺された人もたくさん見た。18歳で戦争に行き、あれからちょうど60年たった。政府から褒章にたくさんのお金をもらった。今年の春節の時も満額でもらった。抗日戦争に参加した人に対する政府の待遇は悪くない。

私の長兄は当時民兵の隊長だったが、石門焉で殺された。石門焉には日本人が駐屯していた。兄は夜間に歩哨に立っていたが、けっきょく日本人に見つかって銃で殺された。陝西省や興県の病院に運ばれたが、翌日に2番目の兄に担がれて遺体で家に戻ってきた。長兄は烈士に名を連ねていて、遺体が帰ってきたときは、すべての村々の人が彼を見送ったものだ。残念なのは、当時は誰も写真を撮ることなど思いつかなくて、彼の写真が一枚も残っていないことだ。

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