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カンボジアCovid-19情報とCovid探知犬

すでに何回かお伝えしていますが、カンボジアは現在、感染者が日々増加の一途をたどり、まったく収束の兆しが見えません。

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昨日6月30日のデータで、新規感染者1,130名、総感染者数が5万人を越えました。輸入症例も139名と過去最高を記録し、多くはタイからの出稼ぎ労働者の陸路による帰国です。

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27日付け The Phnom Penh Post によると:保健省はデルタ株とベータ株の亜種がすでにカンボジアで確認されていることを認めており、「最も危険性の高い突然変異」として非常な危機感を持って対策に追われています。デルタ株の多くが、タイからの帰国労働者から検出されており、現段階では、ワクチン接種のみが、危険性を最小限に抑える方法であると考えられています。

昨日の段階ですでにカンボジア全土で22例、シェムリアップでも2例が確認されているようです。

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28日付け Khmer Times によると:バンコクの建設労働者キャンプがCovid のために閉鎖され、200人あまりの労働者が解雇されて現在帰国の途についています。(写真は国境のチェックポイントに向かう出稼ぎ労働者たち)。国境に隔離施設が設けられ、逃走を防ぐために公権力による監視体制がとられています。

また、タイ当局側のデータですが、今年の最初の4カ月間で、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマーからの密入国者15,378人がタイ警察に逮捕されています。おそらくは、この何倍(?)かの人たちが、密かに国境線を突破して出入国しているものと思われます。

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シェムリアップ州も厳しい規制をしき、州を訪れるすべての人に州境でのチェックが義務付けられています。学校はもちろん休校中。カラオケやバー、スパ、ジムなどを閉鎖し、結婚式や宗教儀式、パーティーも禁止、アルコール販売も禁止されています。感染者が出た施設や村落など、即座にロックダウンされ、関連するすべての人にPCR検査が行われています。夜間外出禁止令も継続中です。それでもなお、感染者増の流れが止まらないのです。ちなみに、シェムリップの6月28日のデータは、感染者総数1.034名、死者10名です。

日本と違って特徴的なのは、市場でのクラスター発生が非常に多いということがあります。シェムリアップ最大、全国的にいっても3本の指に入るであろうと思われる、巨大なプサールー市場では、先週128名の感染が確認され、すぐさま閉鎖されたのですが、おそらくはその後も増え続けているものと思われます。

プサールーは、ウチから自転車で20分くらいのところにあり、3日に1度くらいは買い物に出かけるところです。まったく、売ってないものは、家電と車とガソリンくらいといっていいほど、何でもかんでも売っています。最近でこそ慣れましたが、以前はしょっちゅう迷子になるほど広くてごちゃごちゃ混みあっていて、市場内をぐるぐる見て回るだけで、ほんとうアキることのないミラクルワールドです。

ところが、この建物には、外周にいくつもある出入り口に扉はないので、空気の流通はあるのですが、おそらくは換気設備というものはないと思います。特に今は雨期で湿度も高いので、広い建物の中心部あたりはほとんど空気循環がないと思われます。こんなところでひとたび感染者が出れば、あっという間に拡散してゆくのは間違いないでしょう。お客さんというより、そこで一日7時間も8時間も商いをしている人たちが危険なのです。

プノンペンでも中心部にある、バンケンコン市場やオルセー市場で多数の感染者が出ているし、地方でも市場がロックダウンされたという記事はしょっちゅう目にします。

公報で、市場に立ち寄った人に検査を呼び掛けていますが、プサールーなど、数千を超える人数になるはずです。私もこの間何度か行っていますが、屋根のない外側に並んでいる生鮮食料品売り場にしか行ってないので大丈夫だと思います。

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以前に撮った写真があったので添付しました。ただし、屋根のない外周の写真が多いのですが、建物の内部に入ると暗くて狭くて、混みあっている時間帯はほんとうに密状態になります。

最後に、‶明るい話題″ともいえないのですが、私の好きな犬の話題です。

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4月5日付け The Phnom Penh Post に、‶CMAC mine-clearing dogs training to sniff out Covid.″という記事が掲載されました。CMACは、Cambodia mine action center つまり、内戦時代に埋設されたままになっている地雷の除去に取り組んでいるグループです。 

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コンポンチュナン州にある、CMACの地雷対策技術研究所でCovid-19と戦うために現在10匹の犬が訓練中です。すでに、埋設地雷や不発弾の臭いを探知させる訓練のスキルを持っているメンバーたちは、犬に人間の汗からCovid陽性者を感知させることに自信を持っているそうです。ガンや糖尿病患者も識別できる能力があるのですから、頑張ってトレーニングすれば、きっとできるようになることでしょう。

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Covid 探知犬-Covidog の訓練は、すでにドイツ、フランス、フィンランド、アラブ首長国連邦などで行われているそうですが、日本ではどうなんでしょう?最近は日本の空港でも、麻薬や爆発物の探知犬の姿をよく見るので、訓練のスキルはあるはず。症状の出ない微量のウィルスの陽性者を嗅ぎ出すことができたら、必ずや国際線空港で大活躍できますね。

それにしても、日本は、とりわけ責任のある立場の人たちに危機意識がなさ過ぎだと思いませんか?とにかくオリンピックファーストで。カンボジアは小国で、医療体制など比べるべくもありませんが、それでもみんな必死に‶闘っている″ことがわかります。

*情報は、Khmer Times と The Phnom Pen Post, 及びセイハー情報。写真は市場を除いて、Khmer TimesとThe Phnom Pen Post より





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